1時間目「お子ちゃま先生は魔法使い」



第一印象


さすが69ページ、ボリュームが違います。
ただでさえコマごとの情報量が多そうな作品なので、とても読み応えがあったというか、濃かったです(笑)。

予想に違わずあざといないようでした。あと気になったのは誤植。
確認できたもので、2ヶ所ありました。
しかもよりによってそのうちの一つは表紙。”MAGISTER”となるべきところが”MAGISTR”となっています。
もう1ヶ所は、”先生”となるべきところが”先”となっていたものです。
この点を除けば、後はおおむね満足のいく内容でした。

・・・個人的にはしずな先生かな、やっぱ(笑)。



あらすじ

ウェールズの魔法学校を卒業したネギ・スプリングフィールド(10)の修行先は、麻帆良学園(まほらがくえん)中等部の教師という仕事でした。

麻帆良学園中等部2―Aの生徒の神楽坂明日菜(かぐらざかあすな)は、高畑先生の事を一途に想い続ける元気な少女。
そんな彼女にネギは「どぎつい失恋の相が出ている」と言ってしまったので、あすなは激しく怒りました。
しかもそのネギが、自分のクラスの担任になるうえに、同じ部屋に住まわせなければならないというので、あすなの怒りは収まりません。

ネギがクラスメートの手荒い歓迎を受ける中、あすなはネギが魔法を使うのを目撃してしまいます。
怒ったり詰め寄ったりしてくるあすなのことをネギは嫌いになるが、ネギのおじいちゃんがいった、「わずかな勇気が本当の魔法だ」という言葉に共感したあすなを見て、やっぱりいい人だと思いなおすのでした。

このようにして、ネギの新しい生活が始まったのです。



評価

★★★★☆(四つ星半)(五つ星が最高評価です)



詳察

赤松健の作品の特徴として、他の作品のキャラの特長を引用してくるというものがあります。
これをパクリであるとか貶める人もいますが、これはこれで読者を楽しませる事ができるのなら立派な技術なので、作品が楽しいものである限り、私はこのことに関してあまり悪くは言いませんが、とりあえずどれそれっぽいというのは、指摘しておきます。
そういうことを知る事も、楽しむための要素の一つだと思うので。

主人公のネギ・スプリングフィールド(10)は魔法学校を卒業して、下界で修行する事になりますが、その修行内容は「(女子)中学校の教師」というものでした。
この魔法学校のアイデアは、ハリーポッターのものでしょう。
ヒロインが30人という事から、学校が舞台になるということは想像がつきましたが、魔法に関しては、私は虚を突かれたといえます。
確かに、偶然に任せたえっちなハプニングでは、限界がありますからね。
そういう意味では、主人公に(新米の)魔法使いというステータスを持たせたのは、正しい選択なのではないかと思います。
必殺技(笑)に、くしゃみでの強制パンチラ(モロ)もありますしね。

そして、ネギが10歳だというのもポイントです。10歳という年齢は、心身ともにこれから成長していく年齢です。
ただのラブコメとは別に、主人公の成長話になるであろう事も見逃してはいけません。
これに関しては、後述します。

本作では、主人公であるネギにもアンテナが立っています。そう、例の「不幸な人を呼び寄せるアンテナ」です。今まではヒロインにのみ、主に立っていたものでしたが、ここには意味があるのやら無いのやら・・・

学校への壮絶な登校シーンは、ラブひなの原案にあったひなた荘周辺のイメージを彷彿とさせます。
路面電車やローラーブレードでの登校はまさにそうですね。

そして、メインヒロインである神楽坂明日菜(あすな)の登場。
最初から高畑先生への思いを露にしていて、割と直情的なのがポイントです。
あと、力持ちなのもポイント。
そのあすなに、失恋の相が出ていると告げるネギ。
これが二人の出会いです。
ネギの唐突で衝撃的な言葉に食って掛かるあすな。
まあ当然でしょう、いきなりそんなこと言われれば、誰だって怒ります。
ガキが嫌いといって、徹底的に締め上げるあすなですが、高畑先生が姿を見せると、態度が急変します。かわいいですね。

ネギに渡された名簿ですが、これを見たとき一瞬、バトルロワイヤル?と思ってしまいました(笑)。
ものすごい情報量ですが、面白い経歴がそこらにあります。
まず目をひくのは15番の桜咲刹那、ラブひなの素子の流派の京都神鳴流に属しているようです。
こういう細かなリンクがあると、私はなぜか嬉しくなってしまいます。
次に、22、23番の、鳴滝風香、史伽(ふみか)の双子。
さんぽ部って一体なんなんでしょうか(笑)。
あと、20番の長瀬楓。
さんぽ部もそうですが、忍って、オイ・・・(笑)。
とにかくこのページは笑えるところがいっぱいでした。
10番の絡繰ってなんて読むのでしょうか?からめぐり、とか?
あと、ちなみに彼女はロボットのようです。
ロボットが囲碁って・・・ヒカ碁の楊海さんが送り込んだ刺客でしょうか(笑)?

教室に入るネギを迎えるトラップの黒板消しならびにロープとバケツですが、誰が仕掛けたのかが気になります。
話の流れからいってあすなでしょうが、他にも知られざる曲者がいるのかもしれません。
あ・・・よく見ると、あすなの後ろで笑ってる鳴滝風香、史伽の双子が犯人っぽいですね。
なるほど、そういうキャラですか。
ネギの引っ掛かりようは相変わらずすごいな・・・変な叫び声も健在です。

かわいいネギに殺到する女子生徒の中で、しずな先生が問題発言。
「食べちゃダメ」って・・・みんな食べちゃうつもりだったのかな(笑)?
しずな先生はいいなぁ、大人っぽくて。
ちなみにウェールズはイギリスの南西部にある、一地方の名前です。

ネギに対し猛るあすなを制止する委員長の雪広あやかがここで登場。
あすなとあやかは、正反対の似たものキャラのようです。
この二人の掛け合いは面白いです。
あやかもかわいいと思います。

27番の宮崎のどかは図書委員。
目を髪で隠しているのは内気という彼女の性格が一目でわかるようになっていて、良いです。
のどかがピンチの時のネギが使った魔法は、格好良かったです。
ネギは風を操るのが得意のようです。
操れてませんが。

記憶を消そうとして服を消してしまうネギには笑わされました。
ベタだなぁ・・・(笑)。
しかも、くまパン、ノーパン、パイパンって・・・一番最後は少年誌としてまずいのではないでしょうか(笑)?
ちょっとばかしヒヤヒヤものです。

ネギは占いもするし、読心術も多少はできるようだし、ロンドンで占い師やったほうが成功してるんじゃないかと疑いたくなりますね。
まあ、だからこそ、この仕事が修行になるんだと思うんですけど。

ネギがあすなに語りかけた、ネギのおじいちゃんの言葉は、あすなを感動させたようです。
しかし、ネギが成長することで、自分自身の言葉でそのようなことを言えるようになるというのが、この作品のただのラブコメとは違う、ひとつの目標なのではないでしょうか。

今回の評価が四つ星半なのは、今回を越える回が出てきて欲しいからです。
よって、初回としては、最大級の評価という事です。最高評価は五つ星です。



追記・・・10番の絡繰って、「からくり」かな、ひょっとして。ロボットなだけに。
追記2・・・バケツトラップを仕掛けたのは、9番の春日美空のようですね。

2時間目  全話レビュー  トップ

   

inserted by FC2 system