102時間目「明日菜・オーバーフロー!?」


あらすじ

 咸卦法(魔力と気の合一)とクウネルの助言により、アスナは刹那と互角以上に戦いを進める。

 しかし途中からアスナは、クウネルの助言を拒もうとする。

 焦ったクウネルはアスナを説得しようとするが、そこでアスナの古傷に触れてしまう。

 不意に失われた記憶を取り戻し、無意識に暴走を始めるアスナを止めたのは、対戦相手であり友人である刹那であった。


評価

 ★★★☆


感想

 が今回の肝かと言うと、なんだかんだでもしアスナが勝っていたら、エヴァはネコミミスク水セーラー服で戦う心積もりができていたということです。
そんな彼女の心中を察するだけでご飯3杯はイケますよね!!
……しょうもないボケはこれぐらいにしておきましょう。
一時的、断片的とは言え、アスナの”封じられていた記憶”が呼び起こされ、8巻のネギと同様の暴走状態に突入してしまったことが、今回のポイントです。
ここから読み取れるのは、クウネルがアスナのパワーアップ(戦力化)を真剣に必要としているということでしょうか。
話術で他人の感情をコントロールすることに長けている(らしい)クウネルの言動には、相応の確信犯的な意図が込められていると考えた方が自然です。
今までは敢えて魔法の世界からアスナを遠ざけるように配慮されていたのに、ネギが麻帆良学園に赴任してからは、逆にどんどん彼女を魔法の世界に引き戻すような動きが(アスナ自身の意思も介在しているにせよ)活発になっています。
クウネルが現れたのも、つまりその中の動きの一つであるということです。
流石の彼も、アスナがあそこまでキレることは想定外だったようですが……。
ちなみに、ハマノツルギがハリセン→剣になったことをクウネルが驚いたのは、単に急にアーティファクトが変化したから、というわけではないであろうということは、留意しておいても問題ないことではないでしょうか。
それと、暴走するアスナを止めた刹那の『神鳴流 浮雲・旋一閃』は美しい技です、見惚れました。
彼女の技の前には、アスナの暴走を以ってしても、まだまだ力不足のようです。

 こ最近度々書いている気もしますが、現在のバトル偏重の展開の中で必ずしもそれを良しとしない連中(笑)の心の清涼剤になっているのが作中でもかなりの実力者であるはずのエヴァンジェリンであることは、なかなか良い皮肉が効いていると言うか、できる限りバランスを維持していこうとする製作者側の心意気が感じられて好印象です。
もちろん今回のコスプレバトルもそうした意図の一環で為されたものなのでしょうが、こちらは諸事情により衣装を破損させることが難しくなったため、有効に機能していたとは言い難いです。
現在は特殊状況(命に係わらない本気半分遊び半分)下におけるバトルなので、今後の展開に備えて色々と試行していると見て良いでしょう。
オールドタイプ読者Aとしては、クラスメイト編の連続に未練が無いと言えば嘘になりますが……複雑な気持ちです。
話は戻りますが、ここまで散々精神的に消耗したところで、エヴァにはすっきりと1回戦の勝利を飾ってもらいたいものです。

 外だったのは、詠春が神鳴流剣士だったことでしょうか。
本当は意外でも何でもなくて、昔の写真を見てみると彼が野太刀を携えているのが確認できるのですけれども、このかの父ということで、何となく魔法使いなのだと思っていました。
思い込みとは恐ろしいものですね。
それと、特に意外ではなかったのが、ガトーが既に死んでいたという事実。
アスナのオジサマ好きは、記憶を消されたドサクサでこの頃に形成されたのではないでしょうか。
記憶をなくしても、イメージだけは何となく残っていたとか、そういうことに勝手に解釈しておきます。
1時間目でネギがアスナの記憶を消そうとして失敗した時も、単にアスナのマジックキャンセル能力が発動したと考えればそれで済みはしますが、『記憶を消される』ということに対して頑強にアスナが抵抗した結果であると考えると、あの場面に対する思い入れも深くなるかもしれません。

 回のネギはほとんど出番もなく、二人から何かを吸収しようと戦いを凝視しています。
当然アスナの意図に気付こうはずもなく、相変わらずです。
いつもと違うのは、存在感が希薄なことぐらいでしょうか。
主人公不在でもこれだけしっかりと話が作られているのは流石だと思います。
ん?ネギではなく生徒(アスナ)に描写を絞って描かれているということは、言わばこの戦いはアスナのクラスメイト編と考えることもできるわけだ。
これなら楽しめそうな気がします(ォィォィ)


週刊エヴァンジェリンほか

・エヴァ「しかし神楽坂明日菜が勝てば 私の負け 訳のわからぬ格好で次の試合に出なければならぬハメに!!」・・・エヴァは本気だ。
・クウネル「結果が楽しみですねえ」・・・ええ、本当に。
・刹那「この才能 修行のやり方次第では本当に‥‥!」・・・育成!育成!
・高音「一般人の神楽坂さんが一体なぜ!?」・・・取り残されてる2人。
・アスナ「な 何ですかクウネルさん? 今 取り込み中で‥」・・・そりゃ取り込み中ですわな。
・刹那「スキアリです」・・・微妙に可愛い言葉遣いだ(笑)
・ネギ「あの刹那さんを相手にここまで‥‥さすがアスナさんだ!」・・・「さすが」に込められた意味が多すぎて把握しきれぬ。
・和美「デッキブラシの桜咲選手を 動きでわずかに押しています」・・・刹那飛ばないかなー(飛びません)
・エヴァ「コラ――――ッ!! 桜咲刹那!!」・・・テンパってるテンパってる。
・エヴァ「さっさと倒せ!! 負けるなど私が許さぬ!!」・・・アスナには2度も蹴られましたしね。
・エヴァ「奥義を出せ!! 斬岩何たらを!!」・・・「剣」も言えないほどにテンパってる師匠の図。
・古菲「エヴァにゃんがただのだだっ子アル」・・・今クーフェがいいこと言った!!
・エヴァにゃん「お前にも私と同等の いや 私以上の恥辱を与えることとしよう」・・・やっぱりスク水はデフォで。
・和美「会場と試合内容はヒートアップ!」・・・私は選手席の会話にヒートアップしてますけどね。
・アスナ「本気でやってる姿を見せないとあのバカ 頑固だし届かない気がする‥‥から」・・・アスナ健気すぎ。
・クウネル「あのままにしてはあのコをも失うコトになるやもしれませんよ」・・・脅しに入るクウネル氏。
・ガトー「よぉタカミチ 火ぃくれねぇか 最後の一服‥って奴だぜ」・・・年長者には煙草の香りで。
・アスナ(幼)「ダメ ガトーさん いなくなっちゃやだ‥!!」・・・オジサマ好きの萌芽。
・刹那「斬岩剣!!」・・・京都神鳴流はデッキブラシだってペンだってエモノになると。
・エヴァ「な‥何だあの剣は!?」・・・そういえばエヴァにゃんは初見ですね。
・このか「せっちゃ‥」・・・そういえば今のこのかの立場は、ネギvsタカミチ戦のアスナと似てるような気がしないでもない。
・エヴァ「うぉい!! 刹那――――!!」・・・スク水ダ。
・神鳴流 浮雲・旋一閃!!!・・・このコたち、キレてる……キレてるよ。
・エヴァ「な‥‥が‥‥? あれ?」・・・実は刹那の実力を把握していなかった師匠の図。
・チャチャゼロ「ルール聞イトケヤ」・・・チャチャゼロは知っていたらしい。
・アスナ「せ‥刹那さん 今‥‥ 私‥‥?」・・・覚えてる?覚えてない?
・刹那「大丈夫ですか? 明日菜さん」・・・強さとやさしさと友情を感じる。
・エヴァ「か‥か‥勝ったか―――」・・・安堵と脱力と私欲を感じる。
・クウネル「アハハハハ」・・・グッジョブ。


今週の巻末コメント(と、それに対するちょっとしたツッコミ)

――最近毎日、日本酒飲んでます。

・・・飲まないことにはにはやってられないということでしょうか。(違)

 頂ければ、管理人が喜びます

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