117時間目「父との再会!?」


あらすじ

 ネギとクウネルによる決勝戦のゴングが鳴り響く。

 クウネルは淡々と自らの能力を実演解説する。

 彼は、10年前に交わした友との約束を果たす、と呟き、そして……

 少年が追いかけ続けて決して掴むことのできなかった父親が、今、目の前に姿を顕した!


評価

 ★★★★★


感想

 よいよと言うべきかやっとと言うべきか、ここまでやってきました。
武道会の決勝戦・・・ネギ対ナギ(クウネル)の父子対決です。
今回の内容は、クウネル・サンダースことアルビレオ・イマのアーティファクト『イノチノシヘン(生命の詩篇紙片)』の能力の紹介・解説と、ネギと(10年前の)ナギとの邂逅に絞られており、他の場面(アスナ・美空など)にはほとんど触れていません。
いよいよ本当に武道会を締めるつもりのようなので、評価したいと思います。
特に、赤松漫画にしては珍しい、最後5ページで贅沢に大ゴマを使ったナギ登場のシーンは、何が起こるかわかりきっているのにゾクゾクしました。
普段本当にケチケチとギチギチにページにコマを入れる作風が好きだからこそ、イザというときにこういった事をしてくれることで、気分が昂ぶってくるのです。
ツンデレの黄金分割が9:1だと言われているのも、多分そういうことなのでしょう。

 話休題。
鳥が羽ばたいていくような、無駄に凝った登場演出もかなり好きです。
刹那の桜の花びらといい、この作品はそういったハッタリが散見されることも、見所の1つなのではないでしょうか。
とにかく、そういった理由もあって、かなり高評価の117時間目。
これから始まるバトルの展開がこの高揚感に勝ることは無いと思うので、今回は最高評価にしてみました。
対戦前で寸止めされて、先がどうなるのかワクワクしながら予想もしくは妄想しているこの瞬間は、先を読んだ満足感に勝ります。
できれば、自分のそんなスレた感覚を次回以降で見事に裏切ってくれれば、言うことは無いのですが……。

 ヴァンジェリンはいじらしいですね!
クウネルの能力を思い出して、本物のナギ(時間制限付き)を一目でも見るために、全力ダッシュで武道会会場へと引き返していきます。
格好つけて興味無いとか言いながら会場から去るからこういうことになるんだといったツッコミは野暮です(笑)
麻帆良祭中は世界樹の影響で魔力が充溢してるから、もう少し速く走れるんじゃないかとか考えてしまう自分も、やっぱり野暮だと思いました。
もう、いじらしいってことで完結させることにします。
だってその方が萌えですし。

 まり、クウネルのアーティファクトの能力というのは2つあることになります。
1つは、特定人物の身体能力と外見的特徴の再生。
そしてもう1つが、特定人物の半生(人生)を収集して「半生の書」を作成した時点での、1度きりの、全人格の完全再生なのです。
詠春の再生が若い頃のものだったことから、前者の能力も、「半生の書」作成時点での再生と考えて良いでしょう。
では、両者の能力の差異は何なのかというと、後者の方が特定人物そのものになるという点にあります。
後者の能力をクウネルが使用した際に顕れる特定人物というのは、"魔法書作成時点のもの"で、"10分間の時間制限"という制約こそあれ、クセから性格まで、全てが再現されるのです。
わかりやすいのが、前者の能力でクウネルが喋っていた時は、声色は再現した対象のものだったにせよ、口調はあくまで彼のものだったのが、後者の能力でナギになってからは、クウネルの人格は一切表に出ないようになっているところでしょうか。
再生中に彼の意識があるのか無いのか、或いは10分間未満で解除することはできるのかは不明ですが、116時間目のクウネルのセリフ「決勝は‥‥私とネギ君との戦いではありません 私としても少々残念ですが」からも、再生中は彼自身の自由はかなり制限されていることを窺うことができます。
……うーん、ちょっとわかりにくいでしょうか(^^;)
それと、どうやってネカネやアーニャの人生を収集したのかも、気になるところではあります。
ネギから直接吸い出したのかもしれません。

 かし、辺境の島国まで辿り着くかもわからない息子のためにメッセンジャーを残しておくなんて、ナギもかわいいところがありますね。
まあ、前半部分に関しては、確信犯的な部分もあるのでしょうが。
そのあたりの評価も、次回から始まる10分間で何が起きるのかによって、大きく変わってくることでしょう。

 況に(と言うよりもクウネルに)振り回されっぱなしのネギ。
何もしてません。
せいぜい、6年前に自分の目の前に現れたのがクウネルだったのかを問い質す事ができたぐらい。(ストーリー的には割と重要なことだったりしますが)
ただ、何もできなかったとして、誰がネギを責めることができるでしょうか。(誰も責めてません)
幼い頃から追い続けた父の断片にようやく触れることができるのです。
そこで少年は、何を為し、何を得るのでしょうか。

 回はあくまでネギとクウネル(ナギ)に焦点を絞って描かれていたため、他のキャラクターの出番はあまりありませんでした。
そんな中で、クギミーの出番があったことは、評価したいですね。
赤松先生ありがとうございます(笑)
冗談はこれぐらいで。
ナギはネギに、どんな言葉を残したかったのか。
楽しみにしておきましょう。
以下次回。


鳥……ザジ?(違)

・チャチャゼロ「アワテテモ足ノ速サハ10歳ノガキダゼ」・・・チャチャゼロがチャチャを入れとる(寒)
・エヴァ「くっ‥忘れていた 奴のアーティファクトのもう1つの能力‥‥」・・・オバハンだk(えいえんのひょうが→おわるせかい)
・エヴァ「わかったぞ 奴の目的が‥ これを逃しては悔やんでも悔やみきれんっ‥ 間に合えっ」・・・本当にナギのことが好きなのですね。
・ネギ「父さん‥‥あの6年前の雪の日から‥僕は‥‥あなたを捜すためにたくさん勉強をしてきました あなたに追いつくために‥あなたの様になるために戦いの修行を‥‥ 父さん‥‥今日 本当に あなたと?」・・・恋慕にも似たモノローグ。
・クウネル「我が名はアルビレオ・イマ 千の呪文の男‥‥ナギ・スプリングフィールドの友人です」・・・ネギには焦らして焦らしてやっと自己紹介。
・クウネル「が しかし 私のことはこれまで通りクウネル・サンダースとお呼びください 気に入ってますので」・・・食えない男。
・クウネル「そしてこれで‥‥私も 10年来の友との約束を果たすことが出来ます」・・・約束を果たしたら、それからどうするんだろうか。
・和美「し しかし意外!! クウネル選手 こんなに渋目のオッサン‥失礼 オジ様だったとは」・・・アスナがいれば、何かが変わったかもしれないのに。
・円「あ あれがネギ君のお父さん?」美砂「う――ん ちょいイメージ違うかな――」・・・どう見てもタカミチの知り合いです。
・和美「おぉお!?」・・・楽しそうだ。
・クウネル「まぁ 今のタカミチ君ならこれ以上を撃てるでしょうが」・・・デスメガネ強いな。
・クウネル「さて御覧の通り 私のアーティファクト「イノチノシヘン」の能力は――特定人物の身体能力と外見的特徴の再生です」・・・そのアーティファクトにとっさに漢字を当てはめることができませんでした。それと、煙草ではなく栞です。
・クウネル(詠春)「あまり使える能力ではありません」・・・便利だとは思うけども。
・クウネル(ネカネ)「――私の趣味は他者の人生の収集‥‥」・・・悪趣味。
・クウネル(ネカネ)「この魔法書 一冊一冊に それぞれ一人分の半生が記されています」・・・収集の方法は?
・クウネル(アーニャ)「そして‥‥我がアーティファクトのもう一つの能力は‥‥この「半生の書」を作成した時点での特定人物の性格 記憶 感情全てを含めての『全人格の完全再生』」・・・やはり趣味は能力に直結するようで。
・クウネル(アーニャ)「これまたあまり使えない能力です」・・・強ければ特殊能力など要らないという話。
・ネギ「遺言‥!!」・・・過剰反応。
・クウネル「――では本題です 10年前 我が友の一人からある頼みを承りました」・・・回りくどい説明の上に、婉曲な表現だ。
・クウネル「自分に もし何かあった時 まだ見ぬ息子に何か言葉を残したいと‥‥」・・・意外といえば意外です。
・ネギ「ま‥‥待ってください!! 6年前‥‥6年前の雪の日のアレは‥‥クウネルさんなんですか!?」・・・とても大事なこと。
・クウネル「6年前‥‥私は何もしていません」・・・全部わかっていても、答えはあくまで最小限。
・ナギ「よぉ お前がネギか?」・・・父子邂逅。


今週の巻末コメント(と、それに対するちょっとしたツッコミ)

――仕事中、ガムのかみすぎでアゴが疲れました。

・・・同じ作業をしていると、ガムを捨てるタイミングはなかなか無いものです。

 頂ければ、管理人が喜びます

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