118時間目「全ての想いを両の拳に!」


あらすじ

 父子は、再会した。

 一時の和やかな会話を交わしたあと、二人は拳で語り始める。

 愛情にも似た激情を発露しながら、息子は父親へと一心不乱に立ち向かい、父親はその姿、その強さを息子に対して存分に見せつけた。

 父親は圧倒的に強く、息子は遠く及ばない己を知ったが、その中には一切の悔しさもなく、ただ、2人の充足感だけが、試合場を支配していた。


評価

 ★★★★★


感想

 めんなさい。
前回の感想では「これから始まるバトルの展開がこの高揚感に勝ることは無いと思う」とか書いちゃってごめんなさい。
面白かったです。
とても良かったです。
想定外でした。
何と書いたらいいんでしょうか……妄想爆発?

 ず、父(ナギ)と正対した息子(ネギ)のリアクションの全てが、いとおしすぎる。
ナギを目にしたネギが、涙を流して駆け寄って行く様だとか(そして、お約束通り吹っ飛ばされる様だとか)、テンパった会話をしながら父に弄られる様だとか、促されるままに、畏れることなく全力で父にぶつかっていく様だとか……。
徹底的に女々しく、でも、決めるところはしっかり決めるといった、メリハリの効いた描かれ方がされていて、ナギへの想いを考えると、本当によくがんばったなぁ、とか、良かったね、と声を掛けたくなる程に、好感の持てるネギになっていました。
ナギとちゃんと戦えるようになるために、タカミチや刹那との戦いがあったのだと考えれば(高音さんは?)、これだけ長かった武道会編にも、それなりの愛着は湧いてくるわけで……。
ああっ、可愛いなぁ、もう。

 、ナギ(になったクウネル)ですよ。
これでもかという程に、格好良く描かれています。
ネギが夢想したそのままに。
更に、圧倒的な実力。
ついでにちょっぴりおちゃめさん。
完璧でした。

 ギもそうですけど、ずっと読んできた読者は、2人が出会うこの瞬間を待ち焦がれていたワケで。(片方は必ずしも本物とはいえないけれども)
そこで、8,9ページ目の、見開き激突ページですよ!
ここで燃えずに、どこで燃えろと?
まぁ、萌えもしますけど、基調は燃えです。
前回の感想ですら、大ゴマの連続使用に「勿体無い、勿体無い」とドキドキハァハァハラハラしていたのに、今回は2ページで1コマで、赤松漫画の常連読者はきっと卒倒したことでしょう。
繰り返しになってしまいますが、いつもケチってるからこそ、今回のような大盤振る舞いには、本当に価値を見出すことができますし、神懸っているとも思えます。
もともと減ページ確定だったものを、頑張って規定ページ数で上げたという赤松先生の日記の記述と併せて読むと、色々穿ったりもしちゃいますが(笑)、やはりそれは野暮というものです。

 ギを目にした生徒たちのリアクションで目が行ったのは、やはり亜子と円のバンドコンビ。
学祭準備中に、似た人と会ってます。
もはやいつの話だよというレベルで昔ですが(作中では数日前だけど(笑))
78時間目参照で。(40話前かよ……)
少なくとも遠目なら、そっくりさんです。
今後は亜子とナギ(仮)、円とバカっぽい方(仮)のラブロマンスが展開されるに違いありません。(ないから)

 人の戦いは、ネギのモノローグにのみ文字が使用され、他はただ音もなく絵のみで描かれていくだけ。
二人の動きをここに書き出すためには、彼らは目まぐるしく動きすぎですし、それ以前に書き出すことそのものが限りなく無意味です。
ネギは全力で向かっていって、ナギはそれに対して自らの強さで応えた。
そういうことです。
ナギの戦いっぷりは某DB並に超人っぷりで、なかなかお目にかかれるものではないし、そうそう目にはしたくないレベルでもありました(笑)

 ギが全力で立ち向かい、気持ちいいぐらいに負けたあとの父子の会話も、微笑ましいもの。
子は親に惚れ直し、親は子を認め、助言し、そして、手を差し伸べる。
出来すぎなくらい、綺麗に纏まってます。
一話の最初から最後までで2人の対決は見事に完結しており、読後感は最高です。
ネギが「やっぱり‥‥僕が思ってた通りの父さんです」と言った時に、ナギが心から嬉しそうだったのが、とても印象的でした。

 れにてようやく武道会の幕は下り、チャオの企みや、アスナや美空達の潜入行など、大会以外の様々な場面が進行していくはずです。
それに、ナギは残り時間でネギとどんな言葉を交わすのか、あたりも気になりますね。
ネギが色々話そうと思った矢先に何か大事件が起こって、ナギが対処しようとするも時間切れで、クウネルもアーティファクト使用の反動で役立たずになってさあ大変みたいな展開になったらどうしようとか考えてる日々です。
来週は休載なので、2週間後の次回を待つべし。


GBA版ゲーム第2弾のタイトルをはっきりとした大きな声で予約してこよう

・ネギ「と‥‥う‥さん」・・・はやくも涙ボロボロ。
・ナギ「ぺっ ぺっ なんだよこの大量の鳥は またアルのヤローの過剰演出か?」・・・麻帆良学園の仕様です。
・ネギ「と‥‥父さんっ」・・・我慢できずに試合中にも構わず駆け寄ってしまう想いの深さ。
・亜子「え」円「あれ?」・・・従兄弟と聞いていたのに、なんだ子持ちか、と(ねーよ)
・裕奈「あの髪型 髪の色‥! 間違いないかもよ」・・・どっちだよ。
・ナギ「ハッハッハッハ」・・・デコピンエネルギー充填中。
・ネギ「ぺぷっ あぽろぼあ!?」・・・発射!!
・ナギ「――まほら武道会決勝か‥‥わざわざこんな舞台用意しやがって 相変わらずマメな奴だな」・・・悪趣味でマメな性格って……随分と迷惑な奴だなクウネルは(笑)
・ナギ「あーあーあー情けねーな我が息子よ 男のくせにポロポロ泣いてんじゃねーぞ」・・・息子弄りモード入った。
・ネギ「な‥‥こここ こんなの泣くに決まってるじゃないですか――っ!!」・・・なぜか微妙に敬語なあたりが萌えポイント。
・ナギ「この程度で泣くな 男の子だったら何があっても泣くんじゃねぇ」・・・絶対わかってて言ってる。
・ネギ「ず――っと捜してたんでふにょ‥‥!?」・・・ムニムニしやすいほっぺたのようで。
・ナギ「ハハハハハ 何だよオイ ボロボロだな 俺の息子ってわりにゃマジメそうなガキだな―――」・・・何しろ親の手がかかってませんからねぇ。
・ネギ「父さん あの‥僕‥ 僕‥‥ あうっ?」・・・なんでこんなに可愛いのかよ!
・ナギ「さて 時間もない 改まって喋ったりするのは‥何つーか苦手だしよ せっかくこんな舞台が用意されてることだし‥‥稽古をつけてやるぜ ネギ」・・・埒が明かなくなってきたので、本題。
・ナギ「決勝まできたんだ 少しはやれるんだろ 俺がお前にしてやれるのはこれぐらいだ 来な」・・・少し悲しい親子の絆、かも知れない。
・ネギ「ハイッ 父さん」・・・応える息子。
・ナギ「なるべくもたせな すぐ終わっちまうぜ?」・・・傲慢さは強さのあらわれで。
・ネギ「それでも 父さん あなたが今 僕の目の前にいる たとえそれが 10分後には消えてしまう幻でも‥‥! こうやって手を伸ばせば 触れることの出来るその場所に 今 あなたが‥‥」・・・万感を胸に。
・ネギ「父さん 父さん‥!! 少しでも長く!! 一秒でも長く!! あなたとこうしていたい!!」・・・激情へ。
・ネギ「ああ でも‥‥ これが終われば またあなたはいなくなってしまう‥‥ 父さん 父さん 僕‥‥いつかあなたに‥‥」・・・モノローグの収束と共に、戦いにもケリがつき……。
・ナギ「‥‥‥よくもたせたな ネギ」・・・満足な父。
・ネギ「へ‥‥へへ‥」・・・満足な子。
・ナギ「あ――しかし 何だ アレだ ホラ 浮遊術がねーと ハイレベルじゃキツイぜ? 矢の反動で避けたのは良かったけどな せめて「虚空瞬動」くらいはできないとな」・・・何故か微妙に遠慮がちに息子にアドバイスする父親萌え。
・ナギ「俺がお前くらいの頃には どっちもできてたぜ?」・・・どんな10歳だよ。
・ネギ「‥‥‥へへっ‥‥やっぱり父さんは強いや やっぱり‥‥僕が思ってた通りの 父さんです」・・・一番、伝えたかったこと。
・ナギ「‥‥ハハッ そいつあ良かった」・・・息子が自分を好きでいてくれることを知り、とびきりの笑顔を見せる父親。
・ナギ「ホラよ」・・・手を差し伸べ、そして……
・和美「カウント10!! クウネル・サンダース選手優勝―――ッ!!」・・・ネギはその手を取った。
・でも・・・あくまでクウネル・サンダースで実況する和美。


今週の巻末コメント(と、それに対するちょっとしたツッコミ)

――12/10に幕張メッセで『ネギま!』のイベントやります。くわしくは、http://www.starchild.co.jpで!!

・・・Kフェスと同じ会場で、一作品のイベントをやろうとしてるあたり、色々と無謀です。

 頂ければ、管理人が喜びます

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