119時間目「フィナーレdeてんやわんや」


あらすじ

 タカミチ救出に向かっていたアスナ達であったが警備は厳重で、前進することもままならない状態、しかし、窮地に陥ったとき、助けに現れたのは、自分が探していたはずのタカミチだった。

 一方、決勝戦の決着がつき、ナギに残された僅かな時間を前にして現れたのは、因縁深いエヴァンジェリン。

 彼女が求めたものは過大なものではなく、普段の態度には似つかわしくない少女然とした、ささやかな触れ合い。

 武道会が終わり、姿を見せた大会主催者で魔法公表の首謀者であるチャオは魔法使い達に包囲されるが、ただ一つ、問いかけを残して、時空の狭間へと姿をくらませるのであった。


評価

 ★★★★☆


感想

 音の扱いが酷過ぎて笑えます。
最後まで脱がされ役でした。
そんなことは最初からわかりきったことではありますがw
愛衣と明日菜(表記の順序が……)も多勢に無勢のうえに相性の悪さもあって、脱ぎ殺されかけてますし。
そんなわけで、序盤2ページのぶっちゃけありえない脱衣コメディには、散々腹を抱えて笑わせてもらいました。

 スナたちの生命の(?)危機を救ったのは、彼女たちが助けに向かっていたはずのタカミチ(とバカちびせつな)でした。
どうやら、チャオから情報をリークされた五月が先回りをして助けていたようで。
食事を届ける役が五月だったはずなのでその時に助けたのだと思いますが、機械式の拘束具、どうやって外したんでしょう。
あるいは、106時間目のタカミチの口ぶりを見ていると、タカミチ自身が何とかしたような気がしないでもありませんが。
チャオはチャオで、もともとタカミチを学祭終了時まで拘束しておくつもりだったようですし。(99時間目参照)
うーん、ちょっとよくわかりません。

 いでに、美空とココネも保護されてました。
結局、美空たちが目にしたものって、一体なんだったんでしょうか。
あと、彼女たちを背後から襲撃した者の正体とか。
実はパワードスーツ装着の五月だったに一票(ねーよ!)

 談打ったついででなんですけど、五月ってよくわからないです。
タカミチを助けに行けるということは、チャオがどんなことをやっているのか何となくは知っているはずです。
そもそも、美空たちが迷い込んで保護されたのは、タカミチが侵入しようとしてできなかった巨大な格納庫のはずですし。
それに、勝負とかはキライな性格のはずなのに、そういう方向性のイベントを企てるチャオたちとは一緒に付き合っています。
五月がチャオたちと一緒にいる理由、あるいは、チャオが五月と一緒にいる理由って、一体何なんでしょうか。
単純に、肉まんつながりというわけでもないでしょうに……考えすぎ?

 名とシスターシャークティの小競り合いは、真名の圧倒的優勢のままタイムアップ。
学園の魔法使いに武道会を妨害されないことを目的としたチャオの作戦は、見事に成功。
シャークティさんは、真名の実力に舌を巻きます。
見れば見るほど、3−Aの面子は、ワケがわからないのばっかりです。

 カミチ達は、深部への潜入から目的を切り替えて、直接チャオに事情を聞くことにしたようで、武道会会場付近の塔の中にあるコンピュータールーム(アスナたちが戦ってた下水道の真上)に踏み込みますが、既にもぬけの殻。
ここで決勝戦が終了し、タカミチは遠目に、そして僅かな間だけ、憧れ続けたナギを目にすることができたのでした。
彼の心境は、どんなものだったのでしょうか。
次に登場するのは、ナギが消えて涙に暮れるネギを無言で見つめる場面ですから、ここは推し量るしかありませんが、きっと嬉しかったんじゃないかな、と思います。
貧困な想像力でゴメンナサイ。

 て。
決勝戦が終わった後のナギは、エヴァのものです。
残るは数秒、ほんの限られた時間の中で、彼女が十数年間想い焦がれた相手に求めたのは、「心を込めて自分を撫でること」でした。
普段の姿には似合わぬ涙まで流して……チクショウ、カワイイヤツめ。
クウネルがナギから元に戻ってからもずっと彼女をなで続けてたことに対して、すかさずツッコミを入れたエヴァも、エヴァらしくてマルです。
未だ涙を溜め続けながら、ジト目でクウネルを睨むコマは、文句なしで今回のベストショットだと思いました(笑)
こんな思い出ができてしまっては、ネギとのデートはしばらくお預けかもしれませんね。

 ギが最後の最後にネギに伝えたのは、いつまでも自分のことを追いかけていないでネギはネギ自身になれ、そして、もうあんまり泣くんじゃない、という、反論する時間すら与えられない、今のネギにとってはおそらく非情な一言でした。
幻だったとはいえ、ネギはナギに会って、戦いのスキル以外の何かを得ることができたのでしょうか。
戦いが終わった直後にそれを求めるのはあまりにも酷かもしれませんが、授賞後に得ることができた心境を整理する一時で、今までのような、父の姿を追ってがむしゃらに進む以外の何かを見つけることができれば良いな、と思います。
それができなければ、そう遠くない未来に、きっと行き詰ってしまうのではないでしょうか。

 賞式も終わり、チャオが大会を締めた後に当然のように待っていたのは、魔法先生達による包囲と尋問でした。
チャオがやろうとしているのは、魔法使いの存在を世間に公表すること。
一方で、魔法使い達はそれを必死になって阻止しようとします。
チャオと色黒の魔法先生(ガンドルフィーニ)の意見の対立は、興味深いです。
チャオが言っている、一般人に比して強大な力を持つ個人(魔法使いに限らない)が存在することを秘密にしておくことが、人間社会にとって危険であるというのは、「特殊な力を持たざる者」の視点からの、「持てる者」に対する脅威論です。
一方で、反論としてガンドルフィーニ先生が言ったのが、魔法の存在を秘匿するのは、無用の誤解や混乱を避け、人間社会と平和裏に共存するためであるということで、これは、必ずしも魔法使いが強大な力を持っているとは限らないという前提に立っています。
これはつまり、かつてあった(エヴァも体験した)魔女狩りを避けるための、魔法使い達の処世術だといえます。
先程の表現と対応させるならば、「持てる者」の視点からの、「持たざる者」が抱く脅威(と、それが集合すること)に対する脅威論ということになるでしょうか。
どちらの言い分が正しいのかはよくわかりませんが、今この世界でまかり通っているのは後者の論理で、それに対してチャオは、挑戦しようとしているみたいです。

 ャオを追い詰めたはずの魔法先生達はしかし、彼女を取り逃がしてしまいます。
何故なら彼女がカシオペアを使ったから。
まず、カシオペアが複数個あったことが驚きだったら、自分は魔力が足りないから使えないとしてネギにカシオペアを貸したはずのチャオが、何の躊躇もなく使用したことにも、驚かされます。
魔力を持ってないのが嘘だったのか、使用条件が嘘だったのか、あるいは、彼女が使ったのはカシオペアとは全く別物の何かなのか……何気にチャオが持ってるものの方が、装飾が多かったりするのには、留意しておいてもいいでしょう。
彼女は学園祭3日目、つまり、世界樹が最も多くの魔力を発する日に再び姿を現すことを示唆して消えていきましたが、最終目的は相変わらず謎のままで、よくわかりません。
以下、14巻に続きます。


性義の使徒とか思った人は表に出るように

・愛衣「キキ キリがありませーん! もう魔力が MPがぁッ」・・・MPて(笑)
・アスナ「ちょ‥こんな所で変なロボに変な感じに脱ぎ殺されるのはイヤアァァ――ッ」・・・いや、その日本語はおかしい。
・高音「フフフ メイ 神楽坂さん お待たせしましたね」・・・ヒーローは遅れてやってくる。
・高音「正義の使徒 高音・D・グッドマン 復かぁ――ッつ!!」・・・アスナが安堵してるのが何となく面白い。
・愛衣「お姉さま!」・・・メイ、お姉さま好きなのな……。
・高音「私が戻ったからにはもう安心です!! いきますよ!! 操影術近接戦闘最強奥‥ ぴっ!?」・・・前に出るからっ!
・アスナ「あんた達全然駄目じゃない――っ!!」・・・結局いつものオチでした。
・アスナ「こ これは無理かも‥」・・・今回は相手が悪かった。
・アスナ「あ‥あ‥た‥‥高畑先生!!」・・・華麗に復活。
・アスナ「あわわっ 私こんな格好で‥」・・・一度や二度ではない。
・五月「ペコ‥」・・・死ぬほど場にそぐわない女の子一名。
・美空「ふ、服が…パンツがー‥ うーん ロボはもういいッス…」・・・活躍はしてないが見せ場はあったということで。
・真名「依頼主の指示は「大会中 チケットを持たない人を会場に入れないこと」‥‥でね もう通って構いませんよ」・・・余裕。
・シャークティ「完全に遊ばれた‥あの歳でこれ程の手練がいるとは‥‥」・・・彼女に歳のことは禁句です(違)
・高音「高畑先生 申し訳ありませんでした」・・・あやかに見えました。
・美空「ねー だから言ったでしょ 助けに行く必要ないって」・・・相変わらずのノー天気。
・ちびせつな「ピピピ」・・・不思議少女”受信中”。
・ちびせつな「それより先生 本体さんからの連絡で試合のほうで大事件だと‥‥」・・・本体さんて。
・タカミチ「‥‥ッ!!」・・・声にならない衝撃。
・ナギ「悪ぃな お前には何もしてやれなくて」・・・どんな状況でも念頭にある、息子に対する父親の本音。
・ナギ「こんなこと言えた義理じゃねえが‥‥元気に育ちな」・・・やはり寂しさは感じるのだろうか。
・ネギ「まっ‥待って!! 父さん!! 待ってください まだ話したいことが‥‥!! 父さんは‥‥父さんは死んでない!! 生きてるんです!! 6年前の雪の日 父さんは僕を助けて‥‥」・・・面と向かっている相手の生存を本人に告げるこのシュールさは、ネギの必死さに隠されて忘れられがち。
・エヴァ「ナギ!!」・・・間に合った。
・ナギ「師匠‥? へ? へ―― ほぉ―― ふ―――ん」・・・多分よく把握できてないし、わかってたらそれはそれでイヤだ(笑)
・ナギ「呪い‥? あぁ―――っ 呪いな! あれなぁ――‥スゴク気になってたんだけどよ 解きに行けてないのか俺?」・・・愛すべきキャラだなぁ。
・エヴァ「では抱き締めろ ナギ」・・・おぉ、大胆。
・ナギ「やだ」・・・いつもこんな感じらしい。
・エヴァ「心を込めてなでろ」・・・愛いやつ。
・ナギ「俺の跡を追うのはそこそこにして止めておけよ いいか お前はお前自身になりな」・・・今のネギには、あまりにも重すぎる一言。
・ナギ「じゃあな もうあまり泣くんじゃねえぞ」・・・とどめ。
・クウネル「ニコ…」・・・こいつ性格悪いわーw
・エヴァ「終わったらさっさとその手をどけんかー」・・・戻った。
・夕映「‥‥」・・・まだムニムニ中。
・チャオ「尚 あまりに高レベルな‥或いは非現実的な試合内容のため 大会側のやらせではないかとする向きもあるようだが‥ 真偽の判断は皆様に任せるネ」・・・あくまで本人からは魔法の存在を公表したりはしない。
・和美「ネギ君行きな! 一人になる時間 欲しいでしょ?」・・・いいことした。
・チャオ「フフ この大会 期せずしてネギ先生にも有益なものとなたようネ 良かた良かた‥」・・・ネギの健闘は、あくまで想定外だったらしい。
・チャオ「やあ高畑先生 これはこれは皆さんもおそろいで‥お仕事御苦労様ネ」・・・慌てる素振り、全く無し。
・タカミチ「職員室まで来てもらおう 超君 君にいくつか話を聞きたい」・・・タカミチ落ち着いてるよタカミチ。
・チャオ「なぜ君達はその存在を世界に対し隠しているのかナ? 例えば‥今大会のように強大な力を持つ個人が存在することを秘密にしておくことは 人間社会にとって危険ではないカ?」・・・何も知らずに巻き込まれるのでは、たまったものではないという話。
・チャオ「フ‥‥3日目にまた会おう 魔法使いの諸君」・・・大胆不敵に挑発して蒸発。


今週の巻末コメント(と、それに対するちょっとしたツッコミ)

――星がきれいです。オリオン座が見えました。

・・・高い場所に住んでいると、星もきれいに見えるみたいです(違)

 頂ければ、管理人が喜びます

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