120時間目「ネギ君を応援する会」


あらすじ

 武道会が終わり、ネギに残ったのは、充実感と多大な経験値と、ネギがネギになるためのヒントであった。

 しかし彼はこの、父の遺した思わぬプレゼントに困惑し、苦悩することになる。

 静かな場所で落ち着きたくて訪れたはずの野点にも、いつの間にかクラスメイト達が現れて、それどころではなくなってしまった。

 そんな具合だから、心休まる空間などは望むべくもなかったけれど、それでも、先生と生徒達の間の距離はまた少し、確実に縮まったのでした。


評価

 ★★★★


感想

 かしい匂いがしてきました。
こんなドタバタなコメディ分、この作品には久しく不足していましたが、久しぶりに、本当に久しぶりに味わいました、ごちそうさまです。
これでネギま!普及推進委員会はあと10年は戦える……。
しかも今回のラストを見るに、次回はすっかりネギに参っちゃってる茶々丸と、何か色々なものが爆発寸前の千雨が主に絡んでくる展開になりそうで、非常に楽しみです。
ネギへの想いが今一番いい感じで煮詰まってる三人のうち二人に(あと一人は夕映です)スポットが当たるのですから、面白くないわけがありません、というか、面白くなければ嘘です。
次回は絶対に読むように。

 礼……先走りしすぎました。
今回は、前回までのバトルパート(まほら武道会)と、次回以降のラブコメパートの橋渡しをする回で、前半部分では、ネギが、ナギから投げかけられた言葉からひとまず逃避するという、今後の彼の成長(物語の大筋の展開)にある程度影響するであろう選択をする場面が描かれ、後半部では、生徒達がネギを労うと見せかけてダシにして遊びつつ(コメ)、最後で千雨、茶々丸との逃避行が予告される(ラブ)といった具合に、綺麗に色分けがされていました。
後半部でも、ナギを探し出すためにクラスメイト達が協力を申し出る展開があったりしましたが、これは物語の本筋に影響を与えるものというよりは、3−Aとネギの絆の強さを再確認するための通過儀礼だと考えるのが良いでしょう。(あやかはまたちょっと異質かもしれません)
というのも、こういう場面を随所に見せておけば、多少普通のクラスメイトの出番が減ったからといって、読者の中の生徒達は元気に動き回っていることでしょうからね。
それと、魔法組に遅れをとりながらも、彼女達もまた一つ、ネギに対する理解を深めたことになるでしょう。(8巻66時間目「雪の日の真実」の、半分くらい?)

 は戻って、前半部分(というか序盤ですね)について。
ネギはまず、会場を見下ろしながら武道会そのものを振り返り、続いて、決勝戦……父親との戦いを思い返すのでした。
そこで、父にかけられた言葉――「お前はお前自身になりな」「俺の跡を追うのはそこそこにして止めておけよ」を反芻して、明らかにその言葉の意図するところがわかっている(ネギは、頭のいい子です)にもかかわらず、敢えて目を背けるのです。
ネギがそうした理由は、いくつかあるでしょう。
一つに、「僕には‥‥それしか‥‥」というセリフからもわかるように、彼がここまで才覚を発揮した原動力が、父親を追いかけることによるものであったということ。
もう一つには、なまじ短い時間完璧な父に会ってしまったばっかりに、以前よりも執着が深まってしまった、ということ。
いずれもネギのキャラクターの根幹に関わっている問題だけに、簡単に振り切るためには、あまりにも根が深すぎます。
で、そんな風に煩悶しているネギを見てニヤニヤしているクウネルは、やはり性格が悪いです。(7割くらいは褒め言葉)

 まあ、割とシリアスな部分はこれぐらいにしておいて、後半の野点です。
もうね、くぎみんが喋ってくれたからそれでオールオッケーと行きたいのは山々なんですけど、勿体無いので色々見ていきましょう。
今回集結したクラスメイトは、茶々丸を除いて非戦闘要員(ネギが魔法をバラしていないメンバー)です。
千雨以外は、武道会にチケットなしで入ったメンバーがネギのスケジュールをチェックしてそのまま流れ込んできたようなものなので特に不自然な点があるわけではないですが、このメンバーが無邪気にネギを応援する展開は、不自然なほどにうまくできています。
3−Aで魔法の存在を知っている生徒は、同時にそのほとんどが既にネギの背景にあるものについてある程度知っており、そうであるが故に、今回のように無邪気に応援することができないし、パルに絡まれた夕映とのどかの例からもわかるように、何も知らないクラスメイトに対して、後ろめたさのようなものを感じずにはいられないことでしょう。
だから、今回魔法を知っているクラスメイトが登場しなかったのは、キャラクター間に要らぬカドを立たせないという意味で、非常に有効にはたらいていると言って良いのではないでしょうか。
細かい点を突っ込めば、野点にエヴァが来ないのは無いよなぁ、と思ったりもしましたが、そこは彼女がナギに会えて幸せボケしたのだと好意的に解釈することにしておきました(笑)

 砂が提唱した逆・光源氏計画は、専ら二十歳の柿崎に萌えるのが吉なのですが、彼女の想像したネギ15歳と裕奈たちが想像したそれのイメージが微妙にずれているのもポイントです。
文字通りネギの将来には様々な可能性が秘められていることがよく判りますよね(笑)
彼氏持ちの美砂が逆・光源氏計画を提唱したものだということも、無責任で非常によろしいかと思われます。
それで、相変わらず千雨はツッコミ役として重宝する、と。

 でこそ恋愛の裏メインキャストとしてクローズアップされている千雨ですが、彼女の基本スタイルは、超現実的なツッコミ役。(オプションで、たまに壊れる)
彼女のツッコミが真価を発揮するのは、他のクラスメイトのボケが常識の斜め上を行った時はもちろん、萌えの大御所(?)赤松先生の萌え概念に対するセルフツッコミを行う時にも、垣間見ることができます。
萌えの方法論を語るツッコミ役など、ネギま!以外では斬新すぎて見たことがありません(笑)
彼女の他にも、夕映が似たような立ち位置でしょうか。
彼女達は、他の登場人物のテンションが全体的に異常に高い中で、常識的な、あるいは説明的なツッコミを入れることによって、作品としては辛うじて宙に浮いて破綻するのを防いでいると見ることもできます。(これは普通のツッコミ役の役割でも同様に言えることですけど)
また、夕映の静のツッコミに対して、千雨のツッコミは結局熱くなってしまうあたりが、好対照で面白いです。
奇しくも、二人ともネギにゾッコンなのに、色々なものに邪魔されて直接アプローチすることはできずにいるんですよね。
この均衡が、これからどんな具合で壊れていくことやら……楽しみは尽きません。

 後に、ネギの右腕の怪我について。
父につけられた傷だから――と、治療をせずに放置した右腕ですが、茶々丸に症状の程度を聞かれた場面で彼が浮かない顔をしたのは、当然症状が重いからという理由ではなく、父が去り際に語った言葉を思い出してしまったからです。
きっと今後もこの傷を見るたびに思い出すのは、父との再会の中でも楽しかった部分ではなく、去り際に父が息子に対して放った重い言葉、ということになるでしょう。
ナギを忘れたくないがために自らに刻した身体の傷痕は、はからずも彼のメンタルな部分に少しずつ傷をつけていく呪縛の装置になってしまったのですね。
ああ、なんという皮肉。
ネギがナギを目指すのではなく自分自身になると決意するまで、この傷を消すことはできないことでしょう。

 頭にも書いたとおり、次回はネギ、千雨、茶々丸の変則的な三角関係がクローズアップされると思われますので、非常に楽しみにしています。
ネギが一人でゆっくりと自分について考えることができるのは、当分先のことになりそうで……。


ネギま!普及推進委員会は逆・光源氏計画を応援しています

・ネギ「大変な武道会だったな――たった数時間なのに色んなコトがあって‥‥」・・・半年の間に、色んなコトがあったなぁ。
・ネギ「‥‥‥ ‥‥父さん」・・・相変わらず。
・ネギ「10年前の父さんだからスゴく若かったけど‥」・・・真に強い人は、きっと老けません(笑)
・ネギ「‥‥どういう意味なんだろう ‥‥よくわかんないや‥‥ ‥‥ッ」・・・言葉に出して否定していないと、常に頭をもたげてくる不安。
・ネギ「でも‥‥ でも父さん‥‥ 僕には‥‥それしか‥‥」・・・呪縛。
・クウネル「念願の父に会えたのに少し落ち込み気味ですね ネギ君?」・・・出たよ。
・ネギ「え えーと‥跡が残ったら残ったで‥‥それはその‥」・・・どこのBLですかそれはw
・クウネル「父につけられた傷を できれば消したくないと‥ なかなか私好みに歪んでいますね ナギが聞いたら怒るか笑うかあきれるか‥‥」・・・ここに早くも育成計画を練ってる輩が居ますが、しかも相当黒い。
・クウネル「それはまた後日と致しましょう 私も学園祭を回りたいですしね」・・・おあずけ。
・ネギ「あの人も父さんの友達か―― 何か変な人‥」・・・何かじゃなくて、どう見ても変な人です。
・一同「ネギ君お疲れーっ」・・・早くも嗅ぎ付けて来た人たち。
・円「それよりアレだよネギ君!! お父さんお話!!」・・・イイヨイイヨー
・あやか「あなた達!! 何とデリカシーのないことですの!?」・・・ぶっちゃったよ(笑)
・裕奈「ぃよぉ――し 飲もう!!」・・・おいw
・亜子「昼から!?」アキラ「飲‥」・・・はい、アキラ正解。
・茶々丸「体術の一対一では もう先生が勝ってしまうかもしれませんね」・・・それほどの成長ぶりだったらしい。
・茶々丸「チィィ―― キュイ キュィッ」・・・視かn(削除)
・茶々丸「本当に大丈夫ですか? ‥‥‥」・・・彼女はどこまでネギの心理を理解できたのか。
・千雨「聞きたいことがー   失礼します」・・・氏家ト全ネタっぽいのキタ(笑)
・茶々丸「あの 千雨さん 何か深刻な勘違いをされているのでは‥‥」千雨「別にしてねぇよ いいからついてくんな」 茶々丸「そういう訳には‥‥」・・・この二人の関係、和みます。
・一同「じゃーん どお?」・・・作画コスト高そう(何)
・桜子「ネギ君こっちも見て見てー」・・・真ん中の娘、イイね。
・千雨「おいそこ ついでみたいに褒めてんじゃねーぞ」・・・千雨ちゃんは沢山の愛が欲しいようです。
・円「う うん‥ どこか哀愁を帯びた表情がとても10歳とは‥」・・・生々しい解説だなぁw
・美砂「‥‥‥!!! い 今重大な事に気づいたんだけどさ」・・・世紀の新発見。
・風香、史伽、裕奈「なっ‥!?」・・・ΩΩ Ω<なんだってー!!?
・千雨「珍しくもねぇ ウチらの業界じゃごく基本的な 妄想オプションのひとつで 騒ぐほどのことじゃ‥」・・・すげー解説(笑)
・あやか「す すいませ ‥あ!?」・・・天然は強いな。
・千雨「いー加減にしやがれ てめーら――っ」・・・久々に出たなぁ、「もぎゃ〜ん」。
・千雨「ったく 全然わかってねーなこいつらは 大体 方法論が間違ってる あんな恥じらいのない色仕掛けにどれほどの萌えが‥」・・・現在の安易な萌えブームに対する強烈な批判だと思います。
・風香「冗談だったの?」・・・ごめん……その前に二十歳の風香が想像できないorz
・あやか「そんなことよりも 大事なのは お父様のことです ネギ先生」・・・急に真面目な話に。
・あやか「私も雪広家の次女とはいえ一介の女子中学生 できることは限られますが‥‥ ネギ先生がお父様を捜すのでしたら 及ばずながら この 雪広あやかにも手伝わせてください」・・・切なる願い。
・裕奈「ああ――― ズルイいんちょ」・・・天然は強いですから。
・裕奈「私達も手伝うよ」・・・ネギもモテモテだなぁ。
・ネギ「み‥‥皆さん‥ あ‥‥ありがとうございます!!」・・・ひとりじゃないから。
・ネギ「‥で でも僕一人の問題ですので そこまでの好意を頂くのは‥‥」・・・まーたはじまったよこの子は。
・茶々丸「ネギ先生 こっちです」千雨「早く来てください」・・・破壊力の高い組み合わせ、来ました。
・ネギ「ふぅ―― 当分落ち着けないな」・・・麻帆良学園にいる限りでは。


今週の巻末コメント(と、それに対するちょっとしたツッコミ)

――お正月はグアムです。

・・・お正月は北海道(地元)です。

 頂ければ、管理人が喜びます

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