121時間目「ネギ・マジばれテル マギステル・マギ」


あらすじ

 マスコミに追われる形で、なし崩し的に逃避行に入ったネギ、茶々丸、千雨の3人。

 父の言葉の呪縛から吹っ切れたかのように気丈に振舞うネギであるが、千雨にはすっかり見抜かれており、お説教を食らう始末。

 そんな千雨であるが、まほら武道会を通してついに魔法の存在に感付いてしまった。

 同時に、茶々丸のネギに対する好意にも感付いたが、それはそれとして、千雨はどんどん魔法の世界の深みに嵌まっていく事になるのであった。


評価

 ★★★☆


感想

 て今回はネギ、ちう、茶々丸の逃避行。
千雨も茶々丸も、それぞれに事情があってネギへの好意を素直に(?)表に出すことができないでいるのに、ひょんなことから3人が一緒に行動することになったものだから、さあ大変。
三角関係すら歪な形でしか成立していないのに、男1人女2人の計3人の世界で丸々一話を作ってしまうあたりが、この作品の懐の深さと言うか、業の深さと言うべきか……。

 イライトは2つ。
千雨がネギに魔法の存在を問い詰める場面と、茶々丸を前にして仮契約宣言を行う場面です。
と、いっても、それ即ち「見所」というのとは、今回に限って言えばまたちょっと違うのですが。
前者は突拍子もない出来事だったわけではないですし、後者は逆にいきなりすぎて、ストレートな盛り上がりには、欠けるように思えます。
ラストまで読んでも、逃避行に一段落がついてませんし……って、これ、次回も続くのか?(笑)
そうなると、一気に(冗談のつもりが、そのまま一気に突き抜けていく)千雨か(千雨の態度に触発されてどうにもならなくなった)茶々丸のどちらかに、仮契約の目が出てくるような気もしますけども。
ま、そのあたりは、次週の展開を待つとしましょうか。(あっさりと逃避行が終わる可能性も十分にあるので)

 し読みしてしまうと当社比でかなりあっさり味の121時間目ですが、真価は当然そんなところではなく、別のところにあります。
それが、「行間を読む楽しみ」です。
今回に限ってというわけでもなく、この作品に限ってというわけでもなく、何らかの作品を読むときに、私たちは字面絵面だけを追っているのではなく、周囲の状況や登場人物の性格から、その時々の感情なり何なりを推し量ることで、楽しんでいます。
今回は、直接視覚的な部分でなく、この部分での楽しめ方が半端ではありません。
特に、茶々丸と千雨のファンにとっては、たまらない内容だったのではないかと。

 いうのも、千雨、茶々丸のみならずネギさえも、「人前で本音を吐露することができないキャラクター」として、描かれているからです。
ネギは、父の発言を未だに引きずっているのに、生徒の前では強がっていたり、千雨は、もともとの性格があんなだし(それでいて、今回はやけにアグレッシブなツッコミ役になってるのがまたイイのか微妙なのか判断に迷うところなのですが)、ラストで茶々丸をからかった場面では、どこまで冗談なのか本気で判断付きかねますし、茶々丸は仕様で大事な部分の本音を出せません。
だからこそ、彼らが各自の深い部分で何を思い、どう感じているのかを想像することは、この上もなく楽しい作業なのです。

 回の千雨の態度で一貫してるのは、茶々丸がネギに対して抱いている恋心を執拗に炙り出そうとしている点にあります。
……と書くとあんまりいい聞こえはしないですけども、ワタワタと慌てる茶々丸というシチュエーションが持っている破壊力は並大抵のものではないので、非常に良い仕事をしているといえます。
しかも、千雨のそんな態度の後ろ側には、多分に彼女自身の持っている、これもやはりネギに対して抱いている好感情の照れ隠しが見て取れるとあっては、破壊力は倍増。
ツンデレって本当に良いものですね。

 に、ネギの「素直じゃない部分」はなんというかまぁ相変わらずで、そのあたりはちうさんが非常に辛口にツッコんでいるので、溜飲は下がりました。(やりすぎの感もありますけども)
それでもきっとネギ君は改めないと思うので、今後も彼女には定期的に彼を張り飛ばしてもらいたいものです。
最近アスナがすっかりおとなしいですからね……。

 雨が魔法のことを詳しく問い詰めたところから思わぬ方向に派生して、仮契約システムについても再び説明がなされました。
ということは、これからしばらくはキスとか仮契約とかを軸に据えたラブコメパートが見られると判断してもいいということでしょうか。
しばらくラブコメ分が欠乏していたので、これは本当に楽しみです。
肝心の魔法陣を描くカモ君がどっか行ってるのも、若干気になるところではあります。

 回を総括すると、千雨と茶々丸の掛け合いはやはり最高だった、ということになります。
逃避行の末マスコミに囲まれて、3人はどういう行動に出るのでしょうか。
というわけで、カシオペアに2000ガバス。


ザジちうは?(ありません)

・ネギ「ありがとうございます 千雨さん 茶々丸さん」・・・ついにこの2人がきましたよ。
・ネギ「僕‥‥考え違いをしてました」・・・若さゆえの直情径行のような気もしますが。
・ネギ「そうしてその上でやっぱり‥僕はあなたの跡を追わせてもらいます 父さん」・・・結局そこか。
・茶々丸「‥‥‥‥」・・・保存保存。
・千雨「‥なんかやけに嬉しそうだな あんた」・・・ラブ臭?
・茶々丸「い いえ 先程先生が元気がなさそうに見えたので‥元気が出て良かったと‥」・・・誤魔化しきれてないあたりが、良いですよね。
・千雨「‥あんたさ ホントにロボットなのか? 大体 今の科学技術のレベル的に あり得ないんじゃねーか? あんたの完成度は?」・・・本題の前に確認。
・茶々丸「飲食はフェイクです」・・・3巻の時から、進化してる。
・茶々丸「‥私の創造主達は「天才」ですから」・・・それ根拠か?(笑)
・茶々丸「ネギ先生とは毎夜毎晩 お相手をさせて頂いているうえ 大変喜んで頂いているようですので関係は良好かと」・・・ここがマガジンでよかった、ホント良かった。
・千雨「?」・・・そこは「あまだれ・みみだれ」でしょう(何)
・茶々丸「あの‥また何か深刻な勘違いを‥?」・・・わざとだ 絶対わざとだ。
・茶々丸「あの‥‥そうおっしゃる千雨さんも‥ ネギ先生と大変仲が良いように見えましたが‥‥」・・・今茶々丸がいいこと言った。けどちょっと日本語違う。
・千雨「つか んなシーンなかったろ!」・・・シーンて(笑) まぁ、そこは公式設定ですから(違います)
・千雨「それより先生はいいんですか? 私達なんかと一緒にいて‥‥ いや その‥あー 大会で色々あったでしょうから‥ 一人になりたいんじゃないんですか?」・・・気遣ってるなぁ。
・ネギ「あ‥いえ 大丈夫ですよ ありがとうございます千雨さん」・・・笑顔……。
・千雨「あ――‥ガキが作り笑いしてんじゃねーよっ!キモイんだよ!!」・・・ここまで言えるのは彼女だけです。
・千雨「あれが「魔法」なんだろ?」・・・そして気付く。
・千雨「秘密にしときたいんだったらもっと気をつけたほうがいいぜ? 先生」・・・全くです。
・ネギ「ち 千雨さん このことは内緒にっ バレたことがバレると 僕 オコジョにされちゃうんですーっ」・・・もう聞き慣れたなぁ(笑)
・千雨「まぁとにかく あんたは目標だった父親と再会した あんたにとっては重大な出来事だったハズだ 一人になってよく考えるべきだ 生徒のご機嫌を取るために私達みたいなのと付き合う必要は 今はない」・・・いいこと言ってるのに、「今はない」の「今は」が気になって仕方がない件について。
・ネギ「あ‥ありがとうございます 千雨さん でも‥ホントにもう大丈夫です みんなのおかげでちょっと‥ 吹っ切れましたから」・・・ここまで半端に大人だと、それはそれは癇に障ったりもするものです。
・千雨「デカイ悩みなら吹っ切るな 胸に抱えて進め‥以上だ」・・・自分の饒舌さに照れてるあたりがまた。
・茶々丸「‥‥」・・・観察中。
・千雨「ちっ‥ウゼー 思った以上に大事になってんな この煽り耐性のないガキを放っとくと あることないこと喋らされちまうぞ」・・・やっぱり気が回るちうさん。
・千雨「げっ‥‥と 飛んで‥ッ た 種も仕掛けもピアノ線もねぇっ」・・・判ってても、慣れぬものは慣れぬ。
・「ネギさん サインお願いしていいですかー」・・・色紙常備かよ(笑)
・千雨「と とりあえずアレに乗って休むか」・・・祭り用に造ったのか、これ?
・千雨「ハッ 何で私こいつらとつき合ってんだ!? 私関係ないし!!」・・・仕様です。
・千雨「てゆーか 魔法なんて言い始めたら変人扱いだろっ」・・・晴れて仲間入りです。
・茶々丸「あ 安心したのでしょう 魔力を使うことは精神力を削ることですから 限界を越えると気絶してしまうのです」・・・うろたえてる。
・千雨「何かあんた また妙に嬉しそうだな」・・・茶々丸の膝枕って柔らかいんでしょうか?(そこか)
・千雨「つまり先生は あんたの膝なら安心するっつーことだな」・・・毎夜毎晩相手してますからね。
・茶々丸「え‥‥人数ですか 私の知る限りでは 千雨さんを除けば‥ マスター・ハカセ・超さん さよさん・朝倉さん 綾瀬さん・アスナさん‥ 16〜17名になるかと」・・・ホントだ!?多いな!(笑)
・千雨「突っ込みて――‥ 世界の全てに突っ込みて――」・・・突っ込んだら負けです。
・千雨「ハ!冗談! そーゆー みんなで仲良く協力なんてのは大っ嫌いでね! 気持ち悪い‥‥」・・・相変わらずのツン。
・千雨「命ね‥ 突っ込み所が満載だが置いとくとして‥ そこまでして 親父に会いたいってか‥‥」・・・千雨、何を思う。
・千雨「気がかわった」・・・どうした。
・千雨「あんたと戦うのは面白そうだ 茶々丸さん」・・・宣戦布告?
・茶々丸「‥‥‥」・・・予想外の展開。
・千雨「プッ ハハハ 冗談だよ冗談 私がそんなメンドイことする訳ないだろ」・・・ホントにどうした千雨。
・茶々丸「もしや千雨さんは ネギ先生のことが好きなので?」・・・心配?
・千雨「冗談っつったろ 冗談!! 私はごくフツーの一般人なんだ!! あんたらみたいな奇人変人と付き合うつもりはありません!!」・・・もう遅いって。
・茶々丸「考えてみると 観覧車は袋のネズミでしたね」・・・確信犯だなぁ。
・茶々丸「わ 私が蹴散らしましょうか? ビームで‥」・・・人がゴミのようだー。


今週の巻末コメント(と、それに対するちょっとしたツッコミ)

――あけましておめでとうございます。

・・・今年もよろしくお願いします。いや、ホントに。

 頂ければ、管理人が喜びます

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