125時間目「主役はキミだ!」


あらすじ

 周囲の危惧など露ほども知らずに、亜子は勇気を出してナギに告白しようとするが、ついに切り出すことはできなかった。

 しかし、ライブのプレッシャーは、いつの間にかすっかり和らいでいたようだ。

 その後、デートを続ける中で、ネギへの羨望と自分の勇気のなさを打ち明ける亜子だったが、ネギは先生として、彼女を優しく肯定してあげた。

 かくして、ライブは大成功に終わり、亜子は、舞台の主役に躍り出た。


評価

 ★★★★☆


感想

 松先生いわく、『ヌルいラスト』だそうですが、本当に温かったです。
でも、それでよかったのではないでしょうか。
これ以上にどうにかするには、このシリーズの雰囲気には合いませんし、用意された話数も足りませんでした。
ましてや、既に予定よりも1話オーバーしていますし。
最終的にネギは亜子に「あなたは(亜子の物語の)主役」と言う事ができましたし、彼女もそれを聞いて立ち直ることができました。
形としては、綺麗に丸く収まっています。
ネギま!(のラブコメパート)は、ちょうどこれぐらいが"らしい"のではないかと思います。
つい最近までずっとバトルの連続だったのでギアを戻せるのか若干不安視していましたが、杞憂に終わって、ホントによかったです。

 回の感想で、「亜子は勇気を出して告白できるのか!?」みたいなことを書きましたが、もし本当に告白していたら真名に撃ち抜かれているところでしたね(笑)
そういう意味でも、今回は丸く収まっているのですが。
告白しようとしている亜子を覗きながら千雨が焦っていましたが、こちらはそれとは別の心配事。
ネギがあまりにも完璧に紳士を演じてしまったがために、本来の「励ます」という領分を逸脱して告白されそうになるまでになってしまったことに対してです。
いや、ネギが取られるとかじゃなくて……。(個人的にはアリですが)
つまり、千雨は知っているのです。
亜子がもし告白してしまったら、どう頑張っても彼女に待っているのは茨の道だから。

成功→すぐ会えなくなる→キツい
失敗→ダイレクトにキツい

ネギは、亜子に気を持たせるような態度を取るべきではなかったのです。
いや、性質が悪いのは、ネギは気を持たせるような態度を意図的にとっていたわけではない、ということ。
それが千雨をして「今のウチに殺っといたほうがいいな」と言わしめるネギの天然女性キラーぶりなのでしょう。
こんなところまで、親譲り。
千雨は同時に、亜子が自ら告白するところまで勇気を出せるとは思ってなかったようですね。
想定外だったようですが、それよりも、ちゃんと亜子のことを考えてネギに事前にアドバイスを送っていたのが驚きといえば驚きです。
うん、千雨はいい子だ。
「先生らしく」をアドバイスしたのは、彼女だったのですね。
前々回から前回にかけての豹変にも納得です。

 、結局告白できないのが、赤松作品のお約束。
今度はするめいかか〜。
のどかの告白の時も、似たようなことがありました。
2人の違いはつまるところ、最終的に告白できるかできなかったかどうか、です。
のどかが告白できて、亜子ができなかったその差は何だったのでしょうか。
差なんてあったのでしょうか?
会ってからの日数……なのかなぁ。
まぁ、たつみーに撃たれなくて何より、かな。

 ギに請われて、ベースを弾く亜子。
今度はちゃんと弾けました。
手が震えたりは、しません。
彼女はその要因を、ナギが自分の緊張をほぐしてくれたから、と分析してネギのおかげだと考えていますが、そうは言ってもベースを実際に弾くのは亜子自身なのですから、彼女はむしろ、自分が一山乗り越えたことを、誇るべきでしょう。
それがまだできないのが、自ら言っている"脇役体質"に他ならないのですが……

 ネギの年齢(仮想)は、16歳だったようです。
15歳だと思ったんですけれども。
どこかでそう思い込んでいたのでしょうね。
あと、ネギ15歳は語呂がいいですし、似た名前の大手ネギま!サイトがありますし(笑)
でもネギは、もともと(満)9歳なのに(数え年)10歳と自己紹介していた前科(?)もあることだし、ちょっと背伸びしたいお年頃なのかもしれません。

 を語るナギを前にして、歳がほとんど変わらないのにちゃんと将来を考えているのがすごいと驚く亜子。
ですが、彼女の前にいる青年の真の姿は、9歳の少年です。
こういうところが、ネギの少年らしからぬメンタリティです。
別の面では、歳相応のメンタリティも垣間見せるのですが。
亜子が後の場面で語っているように、これがマイナスを力にすることができる人間だということなのでしょう。
"主人公らしい"のです。
この、マイナス……厳密には意味はズレますが、コンプレックスを力に変えることができないと思い込んでいるのが亜子で、それが自らを"脇役"と感じさせている、ということなのです。

 ころで、ナギ(と名乗るネギ)の夢を聞き、そして、がんばっているネギを"物語の主人公みたい"と語る亜子ですが、1巻ではむしろ、ネギが先生としてやっていけるかについては、懐疑的な態度をとっていました。
それが半年も経たないうちに、ここまで評価を変えさせたのです。
本編では見えにくくなっていますが、ネギが学校の先生としても如何によく頑張っていたのかがよくわかるので、今回の中ではここが特に好きな場面です。
……とは思ったのだけれど、実際どうなのでしょうか。
例えば、亜子はナギの前でネギを語るとき、「ネギ君」と呼び、先生とは呼びません。
彼女がネギに特別な感慨を抱いたのは、父親が行方不明だと知った時だとしか文脈上は読み取れませんし。
辛うじて「あんなにがんばって‥‥」の中に、広い意味を読み取ることができはしますが、ちょっと強引な解釈だったかもしれません。

 子が、不幸な境遇を抱えているネギを「うらやましい」と思ったのは、彼が不幸な境遇を自分の力に転化できているからです。
彼女自身が何度も念を押しているように、単純に不幸な境遇を羨んでいるわけではありません。
ついさっき告白しようとしても、ついにできなかった自分の勇気の無さと一緒に、背中の傷にまで触れてしまう自爆ぶりで、いつもの悪循環に陥ってしまいそうになった亜子。
でも、それを救ったのは、ネギでした。

 子さんの物語の主人公は、亜子さんしかいない……まさにその通りだと思います。
ネギが久しぶりにいいこと言った。
喜ばしいのが、この言葉が受け売りでなく、ネギ自身の口から発せられていること。
ネギはたしかに、先生として成長しているのだなと実感できます。
スレてしまっている千雨はチャチャ入れていますが、小太郎や茶々丸には何かしら思うところがあったようです。

 め台詞を言われた亜子は、ついぞリアクションが取れず、なし崩し的に過去の人間たちと遭遇。
それでも、彼女にもネギの言いたいことは伝わっていたようです。
ライブ本番では、すっかり立ち直っていました。
カシオペア使用前と使用後の人間が鉢合わせする展開がここであるのは意外でしたが、うまく誤魔化せていたみたいなので無問題。
かなり無理はありましたけども。
これを見る限り、一般的に言われているような"過去の自分との接触"は、タブーではないみたいですね。
それぞれ未来のキャラと過去のキャラの会話が、楽しいことになっています。
特に千雨は必見。
ついに慣れたか……。

 ぎみんと小太郎もなんとなく仲直り。
あ〜あ、せっかく折ったフラグが元に戻っちゃったよ(笑)
何気に小太郎君もモテモテですよね。

 いに、ライブ本番。
ユニット名は「でこぴんロケット」。
ヴォーカルが美砂、ギターが円、ベースが亜子、ドラムが桜子。
くぎみんドラムじゃないのかよ!!(笑)
カラオケ大好きな桜子がヴォーカルじゃないのが色々と深読みできて面白いです。
ライブに関しては、日程やら担当楽器やらが当初から設定がころころ変わって、単行本レベルでの矛盾が少ない赤松作品としては非常に珍しいケースだったと思います。
ストーリー上では非常に些細な問題なので、ドウということはナイですが。
それに、担当楽器の変更はあくまで夢の中での出来事でしたしね。

 奏が終わり、スポットが当てられた亜子は、告白しようとするもやっぱりできず。
それが、彼女らしさ、なのでしょうか。
ちなみに、舞台の裏手には世界樹があり、もし告白できていれば2日連続の大惨事になるところでした。
その前に褐色の巫女スナイパーに撃ち抜かれていたでしょうが。
各キャラのドリフばりのズッコケっぷりにも要注目です。

 回は、どんな場面から始まるのでしょうか。
亜子編は後片付けまで、見逃せません。
やっぱり、ラブコメっていいなぁ。(しみじみ)

 後に、これだけは言わせてください。
アイスクリームを舐める亜子はエロいな!
そのアイスの形状は反則だ!!(血涙)


サボテンダーとはぐれメタル夢の競演

・亜子「わ‥私あの あ‥あなたのことが‥‥ す‥‥ すっ‥‥」・・・言うのか?
・千雨「ぬ‥‥まさか‥‥告白か!? ぐ‥まずいぜ先生 上手くいき過ぎた!!」・・・ニュータイプ。
・千雨「私の助言があったとは言えあそこまで完璧に紳士を演じたのは見事!! 恐れ入ったぜ!!」・・・アドバイスしてたのね。
・千雨「だがあくまでも先生として教え子を励ますというスタンスでとどめておくべきだったようだな!!」・・・またプロデューサーは難しい注文を。
・千雨「やはり女心は全くわかっちゃいねぇ‥‥やり過ぎだ!!」・・・美しさは罪。
・千雨「いや 私にしても予想外だ!! まさか和泉の奴が ここまで迅速に歩を進めるとは‥‥ マズイ!! あのネギにゃそこまでの対応はできねぇ!!」・・・千雨も読み違える亜子の成長ぶりとネギの夜王ぶり。
・千雨「やめとけ和泉 言うな!! 目の前のその男は夢幻!! その先は茨の道!! いや不毛の荒野だぜっ!!」・・・詩人だねぃ。
・亜子「ちゃうっ! フラれるとか関係ない! 一歩踏みださな何も始まらんっ 脇役のままなんや! 主役になるんやろ!!」・・・決断の時。
・小太郎「何なんや あの女さっきからすっすすっす言ーて?」・・・千雨に肩貸してる。
・茶々丸「!!」・・・心中穏やかでない。
・亜子「するめいかはお好きですか?」・・・そんなことだろうと思ったよっ!!(T_T)
・ネギ「え? するめいかですか? う〜〜ん どうでしょう」・・・キミの天然ぶりがいとおしい。
・ネギ「僕の好きな日本の食べ物は焼き鳥のねぎま串ですね♪」・・・新田先生に食わされたに一票。
・小太郎「今のが告白か?」・・・お前の天然ぶりがいとおしい。
・茶々丸「ねぎまがお好き…」・・・ちぃおぼえた。
・亜子「う‥‥ うう‥‥ 何やっとるんウチ――――ッ!? ここまできて 何で言えへんの―――っっ!!」・・・もう、ダメなんだよ。
・亜子「ううっ でも一歩踏み出して 一瞬 主役になっても フラれたらやっぱそれは脇役やん」・・・ネガティブスパイラル。
・亜子「それよりはナギさんとの二度となさそうなこの時間を大切にしたい自分がおるんです」・・・自分で自分を慰めても虚しいだけなのです。
・千雨「辛いな和泉 だが まあ良かったぜ」・・・千雨も丸くなった。
・小太郎「告白ちゃうやん」・・・この可哀想な犬に誰か説明してやってくれ。
・ネギ「演奏‥‥聞かせて頂けますか?」・・・フォロー入った。
・亜子「ああ‥‥ やっぱこの人 かっこえーなー‥」・・・イチコロです。
・亜子「近っ」・・・そこにいるのは魔性の男です。
・亜子「でも ナギさんの前でもちゃんと弾けた きっとナギさんが緊張ほぐしてくれたからやなー」・・・自分の力とは考えられない性格。
・ネギ「ニコッ」・・・うわっ。
・千雨「あのガキ 今のウチに殺っといたほうがいいな 何だ あの微笑みは」・・・悟った。
・小太郎「え? 殺るんか?」・・・そこ、興味持たない。
・千雨「将来とんでもない女泣かせになるぜ それも天然の」・・・血ですね。
・ネギ「僕の‥‥いえ いとこのネギ君のお父さんが「悠久の風」というNGO団体でとても活躍していたんです」・・・「有給の風邪」と変換された時点で更新の気力を大幅に失った。
・ネギ「え ええ アイスどうぞ」・・・今、君はとんでもないことをしでかした。
・亜子「‥‥‥」・・・亜子ファンはこのコマのためにマガジンと14巻を3冊ずつ買ってもいいんじゃないでしょうか。
・亜子「ナギさん ウチ‥‥やっぱり脇役やと思います」・・・ある意味で、これは告白。
・亜子「ネギ君のこと うらやましいなって思ってしもーたんです」・・・衝撃の一言。
・亜子「ひどいですね こんなこと言って でもネギ君は‥ 行方不明のお父さんを捜してあんなにがんばって‥‥ 何て強くてかっこええんやろって‥‥ まるで物語の主人公みたいやって‥」・・・主人公ですから。
・亜子「あと‥モテへんとか」・・・過去の作者の持ちネタがオチ。
・亜子「けど きっとそのマイナスなコトが逆に力になって その人は主人公になれるんやと思うんです」・・・ダークサイドですけどね。
・亜子「‥‥でもウチにはネギ君やナギさんみたいな将来の夢や目標もなければ‥‥ ちょっとの一歩を踏み出して主人公になる勇気もない」・・・言葉が自分を縛ってる。
・亜子「それに‥‥ ウチのマイナスは ウチに何の力も与えてくれへん」・・・自爆。
・亜子「と とにかく ホント ウチ ダメなんですよー 脇役なんです 取り柄もないしフツーやし ううっ やっぱライブ心配になってきたなー」・・・非常に悪い流れ。
・亜子「あ゛」・・・カワイイ
・ネギ「そんなこと 言っちゃダメです!」・・・先生。
・ネギ「たとえ亜子さんが自分を脇役だと感じていても‥‥ それでもやっぱり あなたは主役なんだと思います だって 亜子さんの物語の主人公は‥‥亜子さんしかいないじゃないですか」・・・今シリーズ最大のテーマ。
・千雨「おーおー わかった様なコト言うぜ 10歳のガキが」・・・多分に照れ隠しが入っていると思われるチャチャ。
・小太郎「‥‥」・・・思うところは、あるらしい。
・茶々丸「明日菜さんによると わかった様なコトを言うのは 最初からだったようですが‥」・・・今回はワケが違う。
・千雨「ですが‥何だ?」・・・わかってて聞いてるやつ。
・円「いいよ それより亜子が心配」・・・アニキと呼ばせてください。
・円「あんたのせいで緊張してんのよあの子 いいから捜すの手伝って!」・・・この娘は強いな。
・小太郎「しもた!! これはあの時のアレかいな!? この後 もう一組の俺達も現れてメタメタに‥‥ 止めな!!」・・・何ですかその楽しそうなイベントは。
・千雨「アホが よく考えろ‥‥ いや もしや回避はできねーのか?」・・・もう驚かない。
・円「な ちょ ちょちょちょ な 何よコレ‥‥ あ!?」・・・さすがについてけない。
・円「待ちなさいよーっ ナギさん‥いや偽ナギさん!? 亜子 どこに連れてくつもりー!? って速っ!! 何 この人達!?」・・・孤軍奮闘も及ばず。
・小太郎「オイ 何やねん またタイムマシン使たんか!?」 小太郎「うるせっ 話ややこしくなる 黙れ前の俺!!」・・・当然のように拳で語るなよ(笑)
・千雨「何だ何だ!? 何なんだよてめーらはっ」 千雨「まあ落ちつけ じきてめーも慣れるさ‥」・・・悟った。
・円「ビックリしたわよバカ!!」・・・くぎみんはツンデレ(はいはいツンデレツンデレ)
・美砂「あなたが噂のナギさん! うーん 近くで見てもイイ男」・・・守備範囲は広い。
・小太郎「その‥何や さっきは‥悪かったな あの子の気持ちも考えんと‥‥」・・・ちょっと成長したらしい。
・円「へ? あー いいよ 私も悪かったし 亜子を元気にしてくれたってことでチャラね」・・・まぁ、小太郎に対して全面的に悪いのはくぎみんだが、何でそんなに偉そうなんだ(笑)
・円「‥‥ 何あんた 前会った時はただのバカでガキだと思ったのに 何かあった? ちょっと大人のフンイキにじんでるよ? 苦みが…」・・・フラグ立て直さなくていいから!!
・桜子「そろそろ出番だお――」・・・どこのvipperですか。
・ネギ「もう ステージの上に立ったらイヤでも主役ですから」・・・確認。
・亜子「ハイ‥‥ ‥‥‥」・・・確認。
・亜子「バンソーコ‥ 夢の中のナギさんもしてた‥‥ そういえばあの時のナギさん‥‥ まさかアレも夢じゃなくて‥‥現実?」・・・一瞬ネギだと気付いたのかと思った。
・亜子「また会えますか?」 ネギ「‥‥‥ ハイ」・・・ハイなのか!? それでいいのか!?(笑)
・「「でこぴんロケット」!!」・・・勝手に美砂個人のアダ名に認定。
・亜子「あっ‥ あうっ あ あの‥ あ あの その私 え えーと‥ 今日は 今日‥‥と とてもお世話になった人に‥‥ 伝えたいことが あり‥あります」・・・主役登場。
・亜子「あ あの 私っ‥‥ そのっ‥ 私‥す 好‥‥ すっ‥‥」・・・す?
・亜子「すゴク楽しかったでーす メールアドレス教えてくださ――――――いっ!!」・・・大団円のことば。
・ネギ「ハーイ いいですよー あとで送っておきまーす!!」・・・小さい自分のと被らないようにな。
・円「ま いっか」・・・このシリーズでは、よく活躍しました。
・真名「フフ‥‥命拾いしたな 和泉」・・・すげーオチだ(笑)


今週の巻末コメント(と、それに対するちょっとしたツッコミ)

――このご時世に、PCエンジンGTで遊んでいます。

・・・そういえば昔、PCエンジンGTで魔導物語やったことがあります。オーパーツじゃなかったのか、アレ。

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