131時間目「オジコン・クライマックス!!」


あらすじ

 アスナとタカミチのデートが続く中、アスナはいよいよタカミチへの告白を決意する。

 告白の直前には、ひょんなことからあやかと遭遇し、上手い具合に緊張をほぐしてくれた。

 そしてついに告白するが、タカミチは彼女の気持ちに応えようとはしなかった。

 アスナの悲しみを、あやかがやさしく受け止める……


評価

 ★★★★


感想

 スナの過去、全然明らかにならない(笑)
丸々一話使って過去話だと思ったんだけどもなぁ。
いや、想像していたのとは別の意味で、過去を振り返る話ではありましたが。
しかし、今回は今回で、急展開でありました。

 んなわけで、まだまだ続くアスナとタカミチのデート。
タカミチが少し席をはずしているうちに、アスナはあやかと遭遇。
相変わらずの犬猿の仲っぷりを発揮してくれます。
そんなコミュニケーションの形です。

 回の二人の絡みで描かれたのは、アスナがあやかの手によってどんなに感情豊かな女の子に成長していったか、です。
それは、タカミチがアスナの告白を断った後、彼の視点から見たアスナの成長過程を思い返した場面を見てみれば、一目瞭然です。
回想の中にあやかはいなくても、前後の内容から、アスナの変化に彼女が関係しているのが、よくわかります。
アスナがここまで変われたのは、あやかが彼女と同じ目線で、同じ力で、張り合ってきたからです。

 して今、二人の力関係は、崩れつつあります。
アスナが強くなりすぎたのです。
……と、単なる腕っ節の強さをアピールしてしまうと、しょうもない罠に陥ります。
アスナの腕っ節があやかに勝っているのは、もともとです。
力のアスナ、技のあやかなのです。

 が逸れました。
今までアスナと対等に渡り合ってきたあやかですが、今回のバトルでは惨敗。
これが意味しているのは、あやかがアスナに果たす役割が、終わりつつあるということではないでしょうか。
(いや、むしろ、アスナが行き過ぎないようにするためのストッパーの役割としてむしろ重宝されるのか?)
アスナが今回の冒頭、フツーの女の子じゃなくなってしまうことに関して考えを巡らす場面があります。
彼女を『フツーの女の子』にしてくれたのは、何度も書いたように、あやかです。
アスナの迷いを見越したかのように、あやかは今回、登場したのです。
そしてあやかは、アスナの相手にはなりませんでした。
アスナはネギと出会ってから今までの間に、再び、『フツーでない女の子』の度を深めていったのです。
タカミチのセリフから推察するに、もともとフツーでない女の子だったアスナを、あやか(達)が長時間かけてフツーの女の子に育てていったのに、ネギはあっという間に、彼女をフツーでない女の子に引き戻してしまったのですね。
ここにきて、連載開始時からのアスナの変化と、あやかの不変ぶりが、際立っています。
可哀相なまでに連載上で冷遇されていたかに見えたあやかでしたが、それは、彼女を話の本筋(フツーでない日常)に絡ませないための意図的な操作だったことがわかります。(←いや、それはどうよ)
今回ラストでアスナを慰めるシーンがあるわけですが、刹那や楓よりも早く、逃げ出したアスナを見つけるのですから、その友情パワー、推して知るべし。

 いうわけで、どうしても触れないわけに行かないのは、アスナの告白でしょう。
結果、フラれてしまうわけです。
この結果は、彼女には失礼ですが、読者にとってある程度予見されたものでした。
何故ならば、アスナのオジサマ好きとタカミチへの告白は、ネギの登場によって(つまり、連載の当初から)、変わらなければならない部分、あるいは乗り越えていかなければならない壁となっていたからです。
この展開はむしろ、遅すぎたぐらいです。
彼女がタカミチに告白を決意したのは、1時間目だったのですから。
とは言っても、連載開始以前にも、何度も告白しようとして、そのたびに挫折してきたようではありますが。

 、結果(しかも失敗)が見えている告白をいかに演出するかが、今回の赤松先生の腕の見せ所でした。
そのために、あやかを引っ張り出し、アスナの成長過程も引き出し、これまでの連載の蓄積を回想に用い、いつものお約束も使って……と、撃てる限りの弾を撃ったわけですが、これがなかなか功を奏したと思います。
アスナのことですから、そう時間をおかずに立ち直ることはできると思いますが、意外と引きずるところもあるので、今後に注目です。
とは言っても、前回ラストのアオリで『アスナの過去が明らかに!』みたいなヒキをしていた分、肩透かしを食らった人も多いとは思いますけれどもね。
かく言う私もその一人。
これはアオリを考えた編集さんの失策だよなぁ。

 後に、タカミチについて。
クウネルに茶化されてますが、タカミチには仮にアスナの想いに応える気持ちがあっても、応えられない事情があったのでしょう。
ここは個人的に、冗談半分、本気半分で私個人の推測をば。
「僕に‥ 人に愛される資格はありませんよ」というわけで、既にエヴァンジェリンと契約してしまっているに一票。
あの打たれ強さは、つまりそういうことです(えー)


アスナを猿とすると、あやかは犬ということになり、これは小太郎と結ばれる伏線なんだよ!!(ないない)

・アスナ「‥‥どういうことだろう? 私が「魔法使い」の高畑先生の秘密の事情を知っちゃうと‥‥ フツーの女の子じゃなくなっちゃうってコト? ‥アレ? なんか変?」・・・過去の記憶がないため、結びつかない。
・あやか「アスナさん! こんな所で何を油を売っているのですか!?」・・・久々登場。
・アスナ「げげっ 何であんたがここに?」・・・イヤな相手に会った、という表情。
・あやか「あなたこそなぜこんな所に! クラスの当番はどうしたのですか」・・・ごもっとも。
・アスナ「あーいや ちゃんと後から行くつもりで」・・・カシオペアで戻って、ってコトね。
・あやか「後とは何ですか! 今が当番の時間でしょう?」・・・当然カシオペアのことは知らず。
・アスナ「だ だから ネギに頼んで昼に戻ってもらって‥」・・・全く噛み合わない会話。
・あやか「って アラ? アスナさん 何ですのその格好は? 珍しいですわね‥」・・・あやかが折れて話題転換。
・アスナ「い‥ いいんちょこそ‥‥」・・・パピヨン?
・あやか「さてはアスナさん ネギ先生とデートを!?」・・・あやかブレインネギカスタム。
・タカミチ「やれやれ 学祭中はトイレも混むな――」・・・コミケ中のトイレも混むな――(何の話だ)
・タカミチ「師匠‥‥ 全ては話せないにしても せめてあなたのことだけでもアスナ君に‥‥」・・・過去にまとめて記憶消去済み。
・あやか「オジンコンプレックスの略ですわっ」・・・オジンて(笑)
・あやか「まさかあなた遂に あの高畑先生とデートなんてことは‥」・・・ようやく気付いた。
・あやか「そ それで 学園祭デートということは‥‥ 当然最後に告白はなさるので?」・・・あやか完敗。
・あやか「――あなたにそんな勇気がおありかしら?」・・・適度にプレッシャーを掛ける。
・あやか「ホホホ 色ボケのあなたと違って優雅な晩餐会ですわ お客様をお呼びして久しぶりに家族で集まって‥‥」・・・あやかはあやかで、家族団欒というのはなかなか無いらしい。
・あやか「あ あの 今の 気を悪くしたらごめんなさい わざとでは‥」・・・何気にかなり気を遣っている様子。
・あやか「フ‥フン ネギ先生をお連れして来ればその程度いくらでもご馳走してさし上げますわ」・・・アスナに対してはツンデレ。
・あやか「ホラ 汚れてますわよ みっともない」・・・汚したの誰だよ(笑)


今週の巻末コメント(と、それに対するちょっとしたツッコミ)

――ちょっと頭痛いけど、花粉症じゃないよね?

・・・花粉症は辛いらしいですよ?

 頂ければ、管理人が喜びます

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