132時間目「春は出会いと別れの季節ネ」


あらすじ

 武道会直後、魔法使い達に追われたチャオが逃げ出した先は、半日後……つまり未来だった。

 これまで世話になった人達への挨拶を済ませ、彼女はいよいよ、行動を起こそうとしていた。

 一方ネギは、アスナがタカミチに振られた事実を知ったり、チャオが学祭後に退学することを知ったりして取り乱す。

 そんな中で、チャオ一味の動向を巡って魔法使い達の動きが活発になり、彼は否応なく、その流れの中に巻き込まれていくのであった……。


評価

 ★★★☆


感想

 月21日は春じゃない!(笑)
さて、アスナのフォローもそこそこに、なし崩し的にチャオ編に突入しました。
魔法教師陣に囲まれて後、カシオペアを使って翌日に逃げたと思われたチャオは、実は魔力不足で約半日程度の跳躍しかできませんでした。
一人でも張り込ませておけば捕まえることができたのにとか突っ込んだらダメですかそうですか。(←無茶言うな)
今更ですが、ネギに渡したカシオペアが過去へと時間跳躍する性質のものだった一方、チャオが使用したのは未来へと跳躍するタイプのものだったことが判明。
よく見てみるとデザインも若干違います。
機能別に作り分けたのでしょうかね。
あるいは、ネギに渡したものも彼が使いこなせていないだけで、未来に飛べるのかもしれません。
というよりも、ネギに渡されたのが試作一号機だったのか三号機だったのかが、気になるところです。
SF的には、未来に飛ぶよりも過去に飛ぶほうが難しいとも言われますし……。
それに加えて、チャオが頑張って時間跳躍して半日程度が精一杯だったのに比べて、ネギが何度も時間跳躍を繰り返しているのを見るにつけ、カシオペアの性能が良いのか、ネギが凄いのか、とにかく差があるなぁ、と思いました。

 の作品がユーザーフレンドリーだと感じる瞬間は度々ありますが(それ以上に、読者がついていくのが大変だと思う瞬間が沢山ありますが(笑))、今回の導入、つまり、チャオが未来へと時間跳躍するシーンは、13巻のラストからの続きなので、別に来週発売の14巻を読まなくてもそのまま読み進められるものだったりします。
このタイミングで彼女の出番が回ってきたのも、何かの因果でしょう。
間に何があったのか気になった人は、14巻も読んでおくように(笑)
それと、チャオのパーソナルデータが本誌で明かされたのは初めてでしょうか?(CDでは既に明らかですが)
好きなものの項目が『世界征服』なのはともかくとして、嫌いなものの中に『大国による世界一極支配』なんてものがあったりして、チャオにとっては今の魔法使いの存在って、そんな風に捉えているのかもしれません。
誕生日は1988年12月1日となっていますが、これは信じてもいいのでしょうかね〜。

 動を起こす前に、諸々の後始末をつけに行くチャオ。
その矢先、偶然か運命か、彼女はクラスメイトのクーフェと遭遇。
実験体に使ったりもしましたが、何だかんだで一番の親友だったクーフェに対してチャオは、自分が学祭後、故郷へ帰ることを伝えます。
クーフェは武道会が終わったあと、パンダのお面を被って歩いていたようですが、それはバレバレだと思う。
いや、怪我が治っていた分だけ、気付かれなかったのだろうか……。

 やか達に追いつき、アスナがタカミチに振られた事実を知ったネギ。
ネギにはアスナが振られた事実を容認できず、取り乱します。
その取り乱しぶりは、正直言って過剰なほど。
挙句の果てには、タカミチに掛け合ってくるなどと言い出す始末。
これは流石に色恋に疎い刹那でもおかしいと気付きます。
色恋に限らず、小太郎がクウネルに惨敗した後も、無神経に声を掛けに行こうとするなど、まだまだネギは、性格的には未熟なところが多くあるなぁ、と再認識しました。
見所は、お姉さまらしくネギを諭そうとしたあやかの決め所を楓が持っていってしまった場面。
やはりあやかはそういう運命かっ(笑)

 カミチとアル(=クウネル)は微妙な関係。
長い間、同じ学園都市内にいながら、ここで会うのは初めてだった様子。
10年前というのはもちろん、ナギが行方不明になった時期と一致しているので、その間アルが魔力が充溢している時期しか動けなかったというのは、やはり示唆的です。
ただ、彼が10年間動けなかったと主張すればするほど、武道会でアーニャやネカネをコピーできていたのが、不思議でならないわけで……。
再会もほどほどに、タカミチはチャオ対策のため、動き出します。
どうしてそんな不安定な場所で二人が話していたのかとか、ツッコみたいですがツッコまないことにします。(←突っ込んでるじゃん)

 してまたまた偶然か運命か、チャオと遭遇した直後のクーフェが遭遇したのは、ネギ達でした。
チャオが学校を辞める事実は、学園祭後までクーフェの心の中に秘められておくはずでしたが、そこはおバカで一途なうえに正直だった彼女、洗いざらい話してしまいました。
彼女もそれだけ親友の突然の告白に動揺していたということで。
今はともかく、昔のクーフェがチャオにどれぐらい依存していたのかなどと考え出すと、結構切なくなってきたりもしますが、そこらへんは作中ではあまり触れられないのかなぁ。
もう一つ、留意しておきたいのが、チャオが学校を辞める事実が、魔法を知っている生徒だけでなく、知らない生徒にもバランスよく知れ渡ったということです。
鳴滝姉妹が知ったからには、今日中に他のクラスメイトにも知れ渡ることでしょう。
つまり、彼女に関する問題が、最終的には魔法使い達の世界だけで完結するのではなく、一般生徒をも巻き込んだドラマになる可能性が大きくなりました。
例えるならば、2巻の期末テストの際に、ネギは魔法が関わった騒動に巻き込まれた(厳密には語弊がありますが)結果として麻帆良学園を去ろうとしましたが、それを最後に止めた生徒達の多くは、魔法とはまだ関わりのない生徒だったような感じです。
……ちょっとわかりにくいな。

 属していた多くの団体に一通りのお別れを済ませて、ハカセ、茶々丸と合流したチャオ。
珍しくハカセが感傷的になっているあたり、この3人の絆も、なかなかのものなのでしょう。
行動を前に、チャオは自身の矜持を示しますが、そこに現れたのは、茶々丸のマスターであるエヴァンジェリン。
傷心のアスナはエヴァの別荘にいるはずですが、居たたまれなくなったのか、もともと自由に使わせていたのか、こんなところに顔を出しました。
チャオの悪っぷり(?)に感心しつつ、彼女を止めるどころか、むしろけしかけているのは、とてもエヴァらしいです。
チャオが作ったはずの茶々丸をマスターであるとはいえ「貸す」と表現していることも、非常にエヴァらしい。

 んな中、ネギからチャオにメールが入ります。
一対一で話し合いたいという内容。
午後8時半のメールで、二人が会うのは午後11時。
何となく陰謀の匂いもしますが、とりあえず、見届けましょう。
チャオがかつて言った、ネギとの血縁関係なども気になりますしね。
アドレス帳にそのまんま『ネギ坊主』と入力していたチャオに萌え。


担当さんしっかり!(笑)

・チャオ「うむ 成功 いや〜 今のはなかなかやばかたネ」・・・彼女なりに追い詰められていたらしい。
・チャオ「高畑先生に逃げられたは痛かたネー」・・・あ、想定外だったんだ。
・チャオ「おとイカン こんな所にいたら誰かに見つかてしまうヨ」・・・説明終了。
・クーフェ「そうアル! 大変だったアルヨー」・・・お面で誤魔化せたとも思えん(笑)
・チャオ「その変人とは‥クウネル・サンダースこと『魔法使い』アルビレオ・イマのことね?」・・・調査済。
・チャオ「古はバカだが素直で一途 この2年 いい友人でいてくれたネ」・・・色々あったらしい。
・クーフェ「イキナリバカとは何アルカ」・・・いやそれは事実だろう(笑)
・チャオ「クラスの皆には言わずに行くつもりだたが お前だけには言ておきたくなたネ」・・・二人の絆。
・このか「そっかー ダメやったか‥ アスナがんばったなー‥」・・・おぉ、大人の反応だ。
・ネギ「タカミチ‥アスナさんフッちゃったんですか!? な‥何で!? アスナさん あんなにキレイで強くてカッコいいのに‥‥ な 何でフラれちゃうんですか!?」・・・こっちは子供だ。
・風香「今夜12時!! 3−A全員絶対参加 よろしくぅっ」・・・どこまでタフな中3達なんだろう。
・ネギ「‥‥! だったら僕 タカミチのところへ行ってきます!! アスナさんとのことをもう一度考え直してって頼んできます!」・・・これが子供か……orz
・ネギ「でもアスナさん あんなに一所懸命だったのに可哀相ですよ‥ッ」・・・子供の論理。
・あやか「‥‥‥ネギ先生 ――」 楓「恋愛というのは人と人との関係‥各々の心の問題でござるからな 上手くいかぬコト‥どうしようもないこともあるでござるよ」 あやか「なっ‥‥私の決め所をっ‥」・・・それがあやかの生きる道。
・あやか「ネギ先生のそのお気持ちはアスナさんも喜ぶとは思いますが‥ 今 ネギ先生がアスナさんのために出来ることは何もないかと思います‥‥」・・・そういうことです。
・アル「――ここ数年は毎年 学園祭見物に出てきていましたよ? 世界樹の魔力充ちる学祭期にしか動けなかったとゆーことですが」・・・ならタカミチにくらい会ってやれよ(笑)
・アル「まあ色々と‥ タカミチ君も色々あったようですが‥ もう10年ですからねぇ」・・・言わないのかい!
・タカミチ「‥‥‥ ‥‥彼の生死 いや行方は?」・・・こっちもかよ!!
・アル「生きているのは確実ですが‥‥行方は私にもわかりません すいませんね私も動きがとれないもので」・・・この人が言うと何もかもがうそ臭いという不思議。
・ネギ「恋愛かー‥‥‥ やっぱり僕にはわからないです」・・・お子ちゃまやなぁ。
・刹那「仕方ないですよ ネギ先生はまだ10歳ですし」・・・免罪符。
・クーフェ「ねみもうむ」・・・ネギぼうず。
・クーフェ「ななな 何でもないアルよ 別に何もネギ坊主に内緒の話など‥あの‥えと‥ その‥ ――」・・・嘘はつけない人。
・ネギ「えええっ そんな突然!」・・・刹那だけ、驚く様子もなく。
・ネギ「こ‥‥これは‥‥」・・・達筆。
・刹那「‥‥‥ あの‥実はネギ先生‥」・・・ネギとチャオの血がつながっているらしい件について。
・ネギ「ハイ ネギです! ハイ‥ええ 会議ですか? ええ‥え? ええっ 超さんが!? ど どういうことですか!?」・・・着メロはハピマテってことで。
・ハカセ「でも超さん やっぱり帰郷を思い留まる訳にはいきませんか?」・・・名残惜しい。
・チャオ「‥‥明日を逃せば22年後まで故郷には帰れなくなる さすがにそこまでは待てないヨ」・・・やっぱり時間跳躍だよなぁ。
・ハカセ「ええっ 涙!? 私が!? まさか――っ」・・・こういう部分もある、と。
・茶々丸「いいえ きっちり目に浮かんでました 映像再生しますか?」・・・ささやかな復讐。
・チャオ「いつの間にか随分 AIが進歩してるネ」・・・AIは止まらないですから。
・チャオ「あの子に目的があるように 私も目的があってここに来たネ 誰にどう思われようと構わない 私は私の目的を果たすまでネ」・・・強い意志。
・エヴァ「くっくっく‥ なかなか良い心意気だ 超 鈴音」・・・なかなかどうして、お約束な格好をしてくれるじゃないか。
・エヴァ「安心しろ 手は出さん 明日も祭りだ 酒の肴に見物させてもらう」・・・いい趣味してるわ。
・チャオ「‥‥いいのカ? あなたの弟子のネギ坊主に敵対して困らすことになるかもヨ?」・・・と言いつつ、エヴァにもし止められた所で、止まる様な性質じゃないと思う。
・エヴァ「素晴らしい♪ 存分にやってくれ あのぼーやはどんどん困らせてやって構わんよ」・・・そしてこれは本音だな(笑)
・エヴァ「‥茶々丸は貸してやる 壊すなよ」・・・いかにもエヴァらしい台詞。
・茶々丸「ありがとうございます マスター」・・・お墨付き。
・チャオ「フフフ‥‥最終日を前に相対することになりそうヨ」・・・どうなるかナ?


今週の巻末コメント(と、それに対するちょっとしたツッコミ)

――4月23日の春イベントで、新作アニメお披露目!

・・・もうすぐなんだなぁ。DVDリリースを待とう(^^;)

 頂ければ、管理人が喜びます

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