21時間目「修行でござるよ♪」




あらすじ

 茶々丸襲撃失敗から一夜が明け、再びいつ自分とその周囲が襲撃されるか分からないネギは、すっかり居心地が悪くなり、寮を抜け出す。

迷い込んだ山中で出会ったのは、修行中の楓であった。

彼女と一緒に修行する中で、今までの自分に改めて向き合うことで強い決意を胸に取り戻したネギは、再び寮へと戻っていくのであった。


評価

 ★★★☆


感想

 ニンジャだ―――!!

 と、いうことで今回は、前回の茶々丸襲撃に失敗して居心地の悪くなったネギが迷い込んだ山中で、楓と触れ合う、という筋のお話。
扉はさんぽ部所属の面々が飾っています。


 前回から見て取る事ができるのですが、茶々丸は自らが出来得る限り人間に近づこうとしいます。
さらに彼女は、部分的には既に人間よりもよっぽど人間らしい事はいうまでもありません。
そういう彼女に姿には、好感が持てます。

 その彼女のメンテナンスにエヴァとともにやってきた聡美。
やはり茶々丸製造に一枚噛んでいるみたいですね。
ここらへんは、聡美の創作意欲と、エヴァのニーズとが一致したものと考えるのが自然かと思います。
相互に過干渉になりすぎずビジネスライクな関係なのでしょう。
2人とも精神年齢高そうだし。

 それにしても、あくまで前日のネギたちの襲撃に関して喋らない茶々丸の態度には、興味深いものがありますね。
主人(エヴァ)の命令は絶対なのですから、本来彼女の質問には正直に答えるべきだと思うのですが・・・
茶々丸が今、どのような心境にあるのかに関しては、未だ謎が多いです。

 ところ変わって、ネギ、カモ、アスナの三人の会話には、多少の矛盾点があります。
アスナが、「エヴァンジェリンも茶々丸さんも2年間私のクラスメートだったんだよ」というところです。
19時間目の茶々丸のプロフィールに、起動は2002年4月1日とあります。
作中の時間では2003年春ですから、茶々丸が2年間クラスメートだったというのは、矛盾しておるのです。
この点は、方々から指摘があるようなので、おそらく単行本で修正されるでしょう。
ま、些細な事です。

 これらの会話の中で、すっかり居心地が悪くなってしまったネギは、思わず寮から逃げ出しますが、行くあてがあるわけでもなく、考え事をしている最中に墜落してしまいます。
杖を無くして困り果てているところに現れたのは、修行中の楓。
バレバレなのに、あくまで自分が忍者であることを隠そうとする楓が面白いです。
楓とネギの修行のシーンは、前回の茶々丸が街の人気者であることを描いていた場面と描写の方法に共通するところがあると思います。
いずれも、彼女たちの日常がどのようなものであるかが明快に描かれていて、わかりやすいです。

 楓は、母性というよりは、強烈な父性を持っているようです。
それは、彼女が明らかなアウトドア派であることからの偏った見方かもしれませんが、少なくとも私にはそう映ります。
女性として、確信犯的な場面もありますが、これもまた愛嬌でしょう。
第一妙にオヤジくさいし(笑)。

 翌日、楓と過ごした一日を経て、自分について考え直したネギは、静かに楓のもとを飛び立ちます。
彼女にはすっかりばれているのですが、身分を隠さなければいけない者同士、秘密の共有はなされ続けるものかと思います。

 そして、ネギを捜し続けて山中を一晩中さまよい続けた1人+1匹。
今回はすっかり損な役回りでした。
ってか、アスナは新聞配達サボリで(笑)。

 今回は、3つ星半。
楓に特別思い入れはない(ひどっ)のですが、何度か読み返してみると、結構面白かったので、星半分増量しました。
今回は合併号ですから、次に読めるのは2週間後です。
ああ、待ち遠しい・・・。

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