96時間目「勇気が勝機!」


あらすじ

 ――ネギもタカミチも、見てる相手は同じ。

 ネギはタカミチ戦に向け、最後のツメの修行を行っていたが、鍵になる「瞬動術」は容易には修得できない。

 そのまま、ネギとタカミチの試合が始まった。

 タカミチのプレッシャーに圧され懼れるネギの背中を後押ししたのは、師匠やライバル、戦友のアドバイスと……わずかな勇気。


評価

 ★★★★☆


感想

 い。
熱いよ。
ネギ君熱いです。
ついにネギ×タカミチ戦がはじまりました。
今回の内容を端的に纏めるならば、ネギが主にクーフェやエヴァから授けられたのは単なる戦闘術だけではなく、戦いに臨むにあたっての心構え……つまり、エヴァの言うところの「わずかな勇気」なのであった、といったところでしょうか。
「わずかな勇気」は、1時間目(第1話)でもキーワードになっていたフレーズ(「わずかな勇気が 本当の魔法だ」)で、当時ネギが言ったこのセリフは先人の受け売りだったものなのですが、今や彼はこれを自らの身体で実践しつつあると言えるでしょう。
この点を以って成長と言わずして、何と表現すれば良いのでしょうか。
こんな弟子なら、タカミチにせよエヴァにせよクーフェにせよ、師匠冥利に尽きるというものです。
特にクーフェは、直前の試合で身をもってそのことを伝えたのですから……。

 週の感想で書いたのは、「バトルの鍵はタカミチの攻撃能力を見極めることである」ということでした。
しかしその予想はほとんど外れ、試合前にコタローが対処方法をネギにバラしてしまったために、ネギは必要最低限以上の負担を強いられることなく、その成長ぶりを(読者と師匠たちに)見せつける事ができました。
前回のタカミチとコタローの接近遭遇には、今回描写する内容を「ネギの成長」の一点に絞るという目的があったと解釈してもいいのではないでしょうか。
なぜなら、もしコタローによるネタばらしがなければ、ネギの成長を見せるためにタカミチが繰り出す正体不明の攻撃に苦戦するというワンクッションを先に入れなければならなくなってしまい、展開が遅くなってしまうからです。
こちらとしては結果論としてしか論ずることができませんが、いやはや、考えられてますね。
こうすれば、タカミチの能力については(読者に対しては)秘匿することができますし、次回以降でネギが苦戦を強いられることになっても、ワンパターンにはなりません。
このバトルの続きを、楽しみにすることができます。

 「わずかな勇気」と密接に関連しているのが、ネギの持つ勝負強さです。
本番に強いネギは羨ましいですね、正直。
具体的には、練習では習得することができなかった高速の移動術「瞬動(活歩か?)」を本番で迷うことなく使用し、見事に使いこなす…とまではいかないまでも、しっかりと戦いの中に組み込むことができたという箇所のことです。
彼が本番に強いのはもともとでしたが、その引き出しの中に「わずかな勇気」が加わったことで、戦いのバリエーションはより豊富になったことでしょう。
改めて解説する必要があるかはわかりませんが、「わずかな勇気」=「不安定な勝算に賭け、不確定な未来へと自らを投げ込める自己への信頼・一足の内面的跳躍」を指しています。
こんな要素の一欠片も持っていない自分にとっては、眩しいばかりです。

 ヴァとのデート、意地でも見たいですね(雰囲気ぶち壊し)
最後の一滴まで搾り取られる…せ、精気とかですか(笑)
いやはや、どんなデートになることやら。
と、既に決定事項みたいに話してみる。
彼女の戦闘用コスチューム(?)もなかなか。
他に今回の注目点といえば、一応ネギを応援しつつも、結局はタカミチとどちらを応援したらいいのかわからずに板ばさみになるアスナとか、魔法フラグが立ちつつある千雨とか、「死の眼鏡(デスメガネ)」という微妙に脱力なアダ名を持っていたタカミチあたりでしょうか。
どれもネタとしてはそれほど強烈ではない分、今回の内容が如何にネギの成長に重きを置いたものなのかということが判るというものです。

 て、次回のネギの苦戦が楽しみだ。


今週の巻末コメント(と、それに対するちょっとしたツッコミ)

――引っ越しました。西本さん、取材に来てください。

・・・逆オファーかい(笑)自分もゼヒ、見てみたいです。

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