99時間目「秘策炸裂!!」


あらすじ

 ネギvsタカミチ戦は、遅延呪文を組み合わせることによって、9本の光の矢とともにタカミチに拳を叩き込んだネギの完全勝利に終わる。

 それぞれが勝負の余韻に浸る中、ネギの慢心を戒めに来たかに見えたエヴァンジェリンも、彼女なりにべた褒めだった。

 一方、チャオの動向を探っていた刹那の分身、ちびせつなは学園都市の地下に不審な施設があるのを発見、試合を終えたばかりのタカミチとともに調査に赴く。

 が、二人の前に立ちはだかったのは、張本人の超と彼女に雇われた真名、果たして、超の真意は・・・?


評価

 ★★★★


感想

 回何が飛び出してくるのか予想もつかないというこの作品の1つの楽しみ方から考えると、今回の序盤、つまりタカミチとの決着がつくまでの展開は非常に予定調和的なものであり、それほど心惹かれるものではありませんでした。
その代わり、この決着によって如何に読者に爽快感を与えるかという部分に力点が置かれていたため、漫画としての面白さはそれほど損なわれてはいないのではないかと思われます。
むしろ少年漫画としては、熱い展開です。
試合時間に制限(15分)が用意されていたことにバトル前はいささか疑問を覚えたものですが、これも最後にタカミチが起き上がりながらも立ち上がることができなかった(後の部分からわかるように、「立ち上がれなかった」のではなく敢えて「立ち上がらなかった」のですが)部分を時間切れ(タイムアウト)と重ねて描くことで、有効に作用していました。
何より、双方ともそれほど深刻なダメージを被ることなく、主人公であるネギに(うやむやではない)決定的な勝利を掴ませられたことは、充分評価しても良いでしょう。
何故なら、現時点ではかなり実力差に開きがある戦いでしたから・・・
まぁ、決着後の臨時救護室でこのバトルに関してツッコみたかったあれやこれは、照れ隠しついでにエヴァがほとんどネギにツッコんでくれたので、ここで敢えてツッコむまでもないでしょう。
ネギを踏みつけながらのエヴァのセリフは、蓋し名言でした。
こういう部分が、彼女の可愛いところです。

 うそう、エヴァといえば。
タカミチの左手中指には結構ごっつい指輪が装着してあるのが確認できます。
彼は普段ほとんどポケットの中に手を突っ込んでいるので、今まで気付きませんでしたが。
単なるファッションとしてスルーしてみても特に問題は無いのですが、この漫画を読んでいると深読みしたくなるのが性というもの。
どう深読みしたくなるのかといえば、「その指輪、エヴァからのプレゼントじゃないんだろうか」という具合に。
奇しくも今回のバトル前にネギも彼女から魔法発動体として指輪をプレゼントされていますし。
彼女の説明通り、タカミチが「呪文詠唱ができない」のなら、その指輪は魔法発動体としての意味はほとんど無いと言ってもいいのですが、むしろそれだからこそ、彼がそれを装着している意味もあるというものです。
過去の2人の間には、浅からぬ縁があるみたいですし、ね。
(誰か私の妄想の暴走を止めてくあげてださい)

 ギの勝利に対する反応で特に面白かったのは3人、ハルナと、千雨と、真名です。
ハルナの「スゲー‥ホレそう」はあまりにもストレートでハルナらしい発言なのでツボに入ったものです。
千雨の場合は、彼女らしいというよりは、リアルタイムに彼女自身が変わってきているというか、壊れ始めているのが手にとるようにわかって面白いです。
ネギの勝利にすっかり興奮しながらも一瞬後には冷静になって自省しつつ、相変わらずどこかズレている麻帆良学園の生徒たちにツッコミを入れているのですが、そういった支離滅裂ぶりは、今の彼女にしか為しえないことだと思います。
最後に真名ですが、まさかこの場面で満面の笑みを見ることができるとは思いもしませんでした。
彼女はやっぱり謎です。
楓の反応も今後に含みを持たせるもので、なかなか興味深かったです。

 びせつなが頭が弱くなって再登場!
「明るい」のと「頭が弱い」のと「バカ」なのを絡めて前面に押し出すのはどうかと思いますw
それじゃまるで3-Aの大部(以下略)。
過去にこんなのを勢いで作ってみた身からすると、ちびせつなの登場は嬉しいものです。

 スナとタカミチの会話は、面白いと同時に、ちょっぴり切ないです。
タカミチの武道会への参加が、アスナがエントリーした理由だったのに「見られると恥ずかしい」ってどうなんでしょう(笑)
そんな彼女の空回りっぷりが大好きです。
そして、明日の約束の確認。
この後の展開から考えると、この約束はフイになってしまいますオーラが漂いまくりです。

 合も一段落がつき、タカミチは本来の目的であるチャオの監視に移ります。
地下に不審な施設があるということで潜り込むタカミチですが、そこに待ち構えていたのは、チャオと彼女に雇われた真名。
笑顔でさらっと怖いことを言っているチャオがかなり不気味です。
彼女の身体能力は、機械である程度補っている様子。
さて、何がどうなっているんだか・・・って言うかタカミチは無事に切り抜けられるんだろうか(^^;)
最近すっかり普通の少年漫画としてこの作品を楽しんでしまっている自分に愕然としつつ、以下次回。
ついに100時間目ですよ……。


今週の巻末コメント(と、それに対するちょっとしたツッコミ)

――アニメの最終アフレコ見に行ってきました。クラスメイト31人大活躍!

・・・ホントに31人全員出るのか。どんな無理なアニメになるのか楽しみ。

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