『ネギま!で遊ぶ‥‥エーミッタム!!』レビュー


 ギま!初のオンリー即売会だった『図書館島の休日』に合わせて発刊された同人誌の中で、ひときわ話題を呼び、注目を集めていたのが、『ネギま!で遊ぶSP』が発行した『ネギま!で遊ぶ‥‥エーミッタム!!』でした。
ネギま!のファンサイトに限定しない、(ネギま!ファンの)サイト管理人が多数参加して作られたこの一冊は、内容の充実振りもさることながら、様々な意味合いでネット層のネギま!ファンの"現在"を象徴しており、非常に興味深いものだったといえます。
その辺の考察は長くなるので別のところで書くとして、ここでは、『ネギま!で遊ぶ‥‥エーミッタム!!』の感想にしぼって書いていこうと思います。

 ず、この本の最大の売りは、各所で騒然となった『赤松健インタビュー』にあります。
それは疑いようがありません。
そもそも、一介の同人誌企画が原作者(しかも週刊誌で連載中の)へのインタビューを実現してしまったことが驚きでしたが、それ以上に、赤松健研究家のいずみのさんがインタビュアーになったことで、今まで読んだどんな赤松健へのインタビューよりも、濃ゆいものとなっております。
掲載媒体が同人誌だということもあって、赤松先生自身が、通常では考えられないぐらい、ぶっちゃけトークしてました

 た、このインタビューには、単にインタビューとしてだけでない、別の側面があります。
それが、いずみのさんが播いてきた種の収穫です。
昨年の後半から公開された『赤松健論』の反響は凄まじく、これを読むことでネギま!をはじめとする赤松作品に対する認識を改めた人は多かったはずです。(この本の参加者の中にも、そういう方は多かったようで……)
それから約1年かけて、いずみのさんは赤松健に関する一般認識の伝達を行ってきました。
(語弊は大いにありますが、いずみのさんは赤松先生のプロデュースを試みています。)
しかしそれは、今までに発表された作品やインタビュー記事などをもとに組み立てられたもので、本人に直接取材したものではありませんでした。
このインタビュー企画は、そういった意味でいずみのさんにとって最高の取材機会であり、記事の中では、そのあたりのすり合わせも、存分に楽しむことができます。
インタビューと銘打たれてはいますが、その実、対談と考えても差し支えないのではないでしょうか。
前編・後編合わせて14ページにも及ぶロング対談になっており、いずみのさんの話の引き出し方がとても上手なので、読み応えは十分です。

 ンタビューの中で特に面白かったのは、前編では4ページ2段目からの『赤松スタジオの実態』と、後編71ページ4段目からの『原作を中心としたメディアミックス』、75ページ1段目からの『ドルアーガの塔みたいに』でした。
中でも、『原作を中心としたメディアミックス』は、読んでて「これ……大丈夫なのか?(^^;)」的なネタのオン・パレード状態。
ほぼ唯一のケチの付け所が、長くなりすぎて(というか、話が盛り上がりすぎて)インタビューの最後がまとめになってないことぐらいで、総じて熱い記事でした。
現場を盗聴したかったです。

 う一つのサプライズは、(元)アシスタントのまぎぃさんと綾永らんさんからの寄稿でした。
前述のインタビューと併せて読むと、まぎぃさんの寄稿が悲惨で笑えます(酷)
綾永らんさんからの寄稿は、一応原作で未確定になっている設定を断定している時点で買いだと思いました。
御二人の描くネギま!キャラは、赤松漫画の登場人物そのものでありました。

 番が前後してしまいましたが、ユウマさんが描いた表紙&裏表紙(31人+ネギ)が素晴らしいです。
これだけたくさんの人物を載せているのに、窮屈感を全く感じません。
色使いもきっちりと押さえてあるし、本当に上手いなぁ……
プロの方も絶賛してるみたいですし、この評価は妥当だと思います。
……って、私が書くまでもないですね(^^;)

 の漫画(イラストページ)は基本が一人につき1〜2ページで、執筆メンバーは非常に豪華。
藤枝雅さんと源久也さんまで参加しとる……。
ネタ的には、Rypさんと澤野明さんの漫画が面白かったです。
土管さんの漫画は、ハピマテ騒動を思い出して懐かしい気持ちになりました。

 キスト(文章ページ)も、各界の大手サイト管理人が執筆しているだけあって、内容は多岐に渡り、独創的な記事が多い!(笑)
特に興味深かったのは、くるぶしあんよさんが書いた『ネギま!における成長する少女たち』で、ネギま!の持つ物語構造について、わかりやすい説明がなされています。
(福)さんの『ショタ漫画として読むネギま!』は、「もっと深く掘り下げて書いてほしい!」と周囲から要望が出るぐらい、興味深いネタでした。
最後を締めるTaichiroさんの『どうしてネギま!なのか』も、ネギま!の持つ可能性について熱く語っていて、共感をおぼえました。
あと、山田さんの書いた『ラブせつ』は、どう見てもいつものヤマカムの記事でした

 れと、忘れてはいけないのは、岸宗志明さんが全体のデザインを綺麗に纏めていて、とても読みやすく仕上がっているということでしょうか。
全体の感想としては、とにかく最初から最後まで楽しめる要素が満載で、全92ページ、たっぷり楽しませてもらいました(^^)
このボリュームと内容で1000円(書店頒布は1200円)は、同人誌相場で考えると圧倒的にお得だと思います。
書店頒布、通信販売は2005/11/26から、とらのあなメロンブックスメッセサンオーエルエルパレスD-STAGEホワイトキャンバスにて行われるようです。
予約もできるみたいなので、以下に予約特設ページ載っけておきますね。
……というか、既に店によっては予約停止してしまっている店もあるようで(^^;)
とらのあな
メロンブックス
メッセサンオー
D-STAGE

 た、冬コミでもいくつかのサークルにも委託するようです。
その他今後の活動に関する情報は、こちらからご確認ください。


 て。
何月だったかは忘れてしまいましたが、この企画を初めて目にしたときの感想は「NNWと内容が被るなぁ(^^;)」でした。
NNWのいち執筆者として、危機感とも興味ともつかない感覚に襲われながら、「どのみち買いだなぁ」とか、考えていたわけです。
しかしこれはあくまで第一印象にすぎませんでした。
最終的に一緒だったのは『ネギま!好きのサイト管理人による合同誌』という大元のコンセプトだけで、完成したものはNNWとは全く違うものでした。
興味深かったのは、いわゆる『ネギま!のファンサイト』ではないサイトを執筆陣(特にテキストでは顕著)に迎えたことでしょうか。
それだけで、随分と『色』の違うものになりました。
と言うよりもむしろ、勘案するに正反対の存在だったりします。
例えば、執筆者一人が担当するページ数、とか。
まぁ、色々とあるんで、もしどちらも持っているようでしたら、是非比べてみてください。
図書館島の休日』でかーずさんやTaichiroさんとお話できたときに、NNWのことは明確に意識してくださっていたというコトを伝えてもらって、本当に嬉しかったです。
冬コミに向けて、大きな励みになりました。
もう、とっくに締め切り過ぎてますけどね。

 うなったら、気になるのがこれからの活動。
これだけの豪華な企画だったので、ひょっとしたら今回一回きりのものなのかもしれませんが、次回があるなら是非見てみたいものです。
特にインタビューは、これから何度でもやってほしいぐらいで(笑)
どうなるんでしょう?楽しみにしておきましょう。

 後に、自分が気がついた範囲で誤植と思われる点をピックアップしておきます。
もし再販する機会があったら、直っていることを期待します。(ここ見てるのか?)

4ページ 1段15行 久米田康司→久米田康治
6ページ 3段1行 久米田康司→久米田康治
73ページ 3段9行 竹内→武内

 やぁ、良い本ですた。

関連:ネギま!で遊ぶ……エーミッタム!!(ネギま!で遊ぶSP) Verba volant, Scripta manent.(りんかいるさん)
   :ネギま!で遊ぶ‥‥エーミッタム(解放)!! GETしますた。 じゃすてぃすのハピ☆マテだいあり〜(ジャスティスさん)

 頂ければ、管理人が喜びます
参考:執筆者サイト一覧
代表 ネギま!で遊ぶ
かーずSP
テキスト イラスト
赤松健論 GUNP
ヤマカム 携帯カメラと紙とペン
ゴルゴ31 あとりえ雅情報室
うぱーのお茶会 超電脳あるまじろくらぶ
VN図書委員のどか15歳 Heaven Stairs
side=2 TAROTS
BRAINSTORM ハルモニア*
ページの終わりまで カトゆー家断絶
TBN -Today's Best News- イレギュラーエレクトロン
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