139時間目「天才少女の完全勝利」


あらすじ

 学祭最終日から8日後の、チャオの計画が成功した世界に突然放り込まれたことに気付き、困惑するアスナたち。

 一方ネギは魔法先生たちから尋問を受ける傍ら、チャオが学園祭最終日に何を行ったのかを知り、愕然とする。

 アスナたちもチャオが残したメッセージから事実を知るが、これからの対応が決まらないうちに彼女たちのもとにも魔法使いたちの捜査が及ぶ。

 話し合いか、対決か……。


評価

 ★★★★


感想

 回は、魔法の存在がバレた世界をネギ視点から見たもので、判りにくい部分が若干多かったのですが、今回は種明かしの回ということで、納得のいった部分もあり、いかなかった部分もあり。
ほとんどが”チャオはどのようにして魔法を世界にバラしたのか”についての解説だったので、話はあまり進んでいません。
話が進むのが遅いのは、喋るキャラクターが多いからという説もあります(笑)
それはいつものことですね。

 かし刹那も丸くなったものです。
最初のページの右下のコマでは、このかばりの良い笑顔を見せてくれちゃってます。
逆に、このかは最近こういう笑顔が減ってきているような気もしますが、それはまた別の話。
そんな刹那に冷静なツッコミを入れるのは千雨。
確かにこの人通りは、学園祭中のそれとは全く異なっていて違和感を感じないではいられません。
風景は明らかに学園祭中のものとは違うのに、千雨以外が既に学園祭が終わっていることに思い至らなかったのは、刹那もアスナもこのかも、臨戦態勢に入っているというか、戦う気が満々だからなのでしょう。
何か大きな目的がある時には、些細なことは気にならないものです。
千雨は、まだ本腰入れて対決しようなんて考えていないので(仮契約もしていないので、戦力にならないということもありますし)、こんなにも冷静でいられるのです。
……と単純に言い切ってしまうのもどうかと思いますが。
ただやっぱり、刹那はちょっと平和ボケしすぎだと思います(笑)

 映が日付を新聞で確認しているのに対して、千雨がパソコン(おそらくインターネット)で確認しているのは、とても2人らしくて面白いです。
後の場面で千雨が、チャオはインターネットが普及し終わった時代を狙って今回の作戦を仕掛けたんだろうみたいなことを言ってましたが、2003年が本当にそうだったのかはとりあえず置いといて、今日びの中学生は新聞なんて読まないよなぁとかどうしようもないことを考えてみたり。
話が脱線しましたが、夕映も千雨もキャラクターとしての性質は非常に似ていながら、こういう部分で明確に違いを描いているのが、わかりやすくて良いというべきなのか、30人以上のキャラクターを描き分けるのは大変なんだなと感心するべきなのかは、人それぞれということにしておいてください。

 流彦先生の言った通り、チャオの計画は周到でした。
……と言うよりも、赤松先生の伏線の描写が周到でした。
それが例えば、気絶直前に美空が目にした沢山のロボットだとか、まほら武道会を主宰して映像メディアの使用を禁止することで心置きなく魔法を使わせる一方で、ちゃっかり撮っておいた映像を流布するとかいったことだったり他にも色々と。
2日目に、実際に武道会の映像を流しておいて、魔法使い達に一度火消しをさせておいた(13巻で茶々丸が言っていた「超科学と最新魔法技術の戦い」がそれ)のも、チャオの作戦が今回成功したことに説得力を持たせるために役立っているのではないでしょうか。
以前は世界樹の魔力による強制認識魔法がかけられていなかったから失敗したが、今回は違うのだということを、魔法の描写で表現するのではなく、状況で表現しているのが好きです。

 …とか何とか言ってますが、今回一番ツボに入ったのは、”「魔法バレ」への対応策”の場面でナゾのシスター(笑)が使われているところだったりします。
美空が乱心したら凄い言いそうで、扱われ方もきっとあんな感じなんだろうなぁとリアルに想像できますw
しかし、彼女もとんでもないネタキャラになったものです……PS2用のゲームとはえらい違いです(笑)
他には、鳴滝姉妹がチャオに催眠術を掛けられている場面や、千雨とアスナが言い合っている場面の台詞回しがコミカルで良いです。
「ええいっ バカだな バカレッド」は蓋し名言だと思います。
バカだからバカレッドなんじゃないか(笑)

 後に、個人的に気になったことをいくつか。
前回の時点では、エヴァの別荘の中でカシオペアを使えば1週間ぐらい戻れるんじゃない?と、千雨みたいなことを楽観的に考えていたのですが、そのカシオペアは、世界樹の魔力に溢れている学祭中限定でしか動かない代物だったことが判明。
冷静に考えてみれば、麻帆良祭の後にも動くのだったら、あまりにも都合が良すぎますよね(^^;)
これで、計画を阻止するハードルはより高くなりました。
どうなるのでしょうかね。

 に、チャオが手紙のラストで「また会おう」と言っていたことです。
彼女は麻帆良祭2日目の時点では転校すると言っていたはずです。
それを額面通りに受け取ることはできないにしても、少なくとも3−Aクラスメイトの前からは姿を消しているはず。
てっきり未来に帰ったのかと思いきや、まだ現代のどこかに留まっている様子。
頃合を見て表に出てきて、何かするつもりがあるのでしょうか。
あるいは、ネギ達がハードルを乗り越えて麻帆良祭最終日まで戻ってくることを予期している、とか?

 とどうでもいいのは、”オコジョの刑”が一生ものではなかったこと。
一回オコジョになったらもう戻れないのかと思い込んでました……何でだろう?(笑)

 て。
エヴァの家で対応を決めあぐねているアスナ達のもとにやってきたのは、黒服の魔法先生と刀子さん。
刹那のセリフを最初、”魔法先生刀子さん”とつなげて読んでしまってかわいいなぁとか思ったのは秘密です。
意思の統一ができないままに、否応無くバトルになりそうなところで次回に続く。
そして次号休載。
刹那と刀子さんの対決は見てみたいですが、楓の分析によると情勢は不利。
さぁ、どうなるでしょうか。


ネギオコジョ化→そして○年後……→第2部開始という説もアリ(ません)

・千雨「やっぱりこれは‥‥」・・・さすが一般人を自認するだけはある。
・アスナ「でもさ――やっぱ世界に魔法がバレるのはヤバイよ」このか「あん アスナもそー思うん? 何で――」アスナ「何でって‥」・・・明確に論駁できる人は少ないと思う。
・刹那「まあまあお嬢様 いずれにせよ超さんを止めなければ学園祭は大騒ぎですし‥‥」・・・周りが静かなことにまず気付こう。
・刹那「お嬢様達は時間まで学祭最終日を楽しんで頂いて‥」・・・いい笑顔だな、チクショーw
・千雨「意外にヌケててカワイイな あんた 周りを見てみろ」・・・丸くなったんです。
・千雨「よく見ろ これは‥‥学祭最終日の風景じゃねぇ」・・・極真っ当な意見。
・アスナ「何 バカ言ってんのよ千雨ちゃん」・・・バカ言ってんのはどっちだw
・夕映「とゆーか タイムマシンやエヴァさんの別荘による効果を 十二分に堪能しているあなたが なぜあり得ないと言うのかがナゾですが‥‥」・・・こちらも非常に真っ当な意見。
・楓「つまり 戦わずして我々は超殿に負けたということでござるな」・・・これがいわゆる超展k(以下略)
・メイ「ひゃああ!? 何ですか あなた達は――ッ」・・・恐怖のメディアスクラム。
・メイ「ひぇ あのあわ 私‥私‥‥」・・・えっちなのはいけないと思いますっ><
・ガンドルフィーニ「‥‥我々魔法使いは完敗したよ ネギ先生 たった一人の少女にね‥‥」・・・思い返したくもない屈辱。
・ハルナ「ぬぬぬぬぬ しょ 勝利宣言〜〜〜!?」・・・彼女はきっと、「味な真似を」とか思ってるはず。
・チャオ「こんなこともあろうかと 元々 ネギ坊主に貸した航時機には 時限式の罠を仕掛けさせてもらていたヨ」・・・なるほど、遠隔操作でなくて時限式か。
・チャオ「‥‥ようこそ諸君 我が新世界へ」・・・最近流行ってるのか?新世界。
・ナゾのシスター「世界の皆さん!! 私 魔法使いなんです!! いや マジでマジで 私 魔法使いなんすよー」・・・しかし何も起こらなかった!
・ガンドルフィーニ「‥‥だが超鈴音は世界樹の魔力を利用して 全世界に対する「強制認識魔法」を行使した」・・・うーん、なるほど。
・チャオ「何 実際過ごしてみれば それほど悪い世界ではないハズヨ」・・・実際麻帆良は結構いつも通り。
・チャオ「では‥‥また会おう 諸君」・・・気になるフレーズを残して。
・千雨「色々ツッコミたいのは置いといて…」・・・疲れるだろうけど全部ツッコんでくれ(笑)
・アスナ「なんか難しい単語ばっかでよくわかんなかったわよ!?」千雨「ええいっ バカだな バカレッド つまり超の作戦は大成功だ!!」・・・良い掛け合いだ。
・千雨「このままいけば魔法一杯 夢いっぱい 世界はマジカル☆ファンタジー路線まっしぐらって訳だ」・・・千雨も変にテンパってますw
・カモ「兄貴はまだ10歳だしな‥‥オコジョの刑は数か月で済むかもしれねぇが 本国に強制送還されるのは間違いねぇだろう」・・・オコジョの刑って一生モノじゃないのね。
・カモ「下手するともう‥‥二度と会えねぇかも」・・・こういう煽り方をするか。
・カモ「どうかな 頭の堅い連中だしな それにあいつらはあいつらで 責任を負うことになるハズなんだ‥‥追い詰められてんのさ」・・・ガンドルフィーニ先生をはじめとした魔法先生達がツンツンな理由がここに。
・アスナ「そんなの知らないわよ うだうだ言ーなら私がブッ飛ばしてやるわ」・・・過激派。
・千雨「待てバカレッド」・・・やっぱり良いコンビだなぁ。
・千雨「おい 小動物 お前の持ってるそのタイムマシンはどうなんだ それを使って もう一度最終日に戻れば超の作戦を止められるんじゃねぇのか?」・・・読者の多くが思い至る疑問。
・カモ「この航時機は世界樹の魔力満ちる学祭期間中しか使えねぇ」・・・チャオに抜かりなし。
・カモ「そうそう便利な道具はねぇってこったな‥‥」・・・連載も長期化しますしね。
・千雨「ど どうすんだよ‥‥」・・・更新が一週間も止まってる『ちうのホームページ』は……。
・刹那「魔法先生‥‥! 刀子さん‥」・・・『魔法先生刀子さん』のアニメ化を求める(違)
・楓「どうする? 話し合うか それとも‥」・・・決断の時。


今週の巻末コメント(と、それに対するちょっとしたツッコミ)

――KC15巻限定版、ただ今、予約受け付け中です。

・・・予約しないと多分買えません。

 頂ければ、管理人が喜びます

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