142時間目「潜入!突撃!ネギ救助隊!!」


あらすじ

 ネギは収容された魔法使い専用の独房の中で、善悪は定まったものではないことを身をもって知った。

 アスナ達はネギを救出してともに過去を変えるべく、魔法使い・人間界日本支部施設、つまりネギが収容されている場所に潜入する。

 主戦力であるアスナとクーフェのコンビネーションは上々。

 独房付近までは首尾よく潜入することができたものの、そこで、あまりにも大きな壁が現れた……


評価

 ★★★


感想

 ロ分が足りない(ぇー)
……じゃない、男分が多い。
それぞれに立場があって、難しいんだよ、って話です。
ここ何話かはそんな感じですが。
一番能天気なのは3−Aの生徒たちであるという。
ネギ原理主義的テロリズムだなぁ。

 はいえ、かわいいは正義(2005年の流行語大賞です)なので、許せます。
アスナが突撃隊長で魔法障壁を破り、クーフェが基本無防備の相手に止めを刺す。
これが部隊の基本路線です。
そして、魔法使い相手には、予想以上にハマっています。
じゃあ他のメンバーは?となると、今のところ戦力外か、戦闘補助役、あるいは解説役(リアクション役とも言う)。
彼女達が狙われると、どうしても後手後手に回ってしまうのが弱点だというのが、今回露呈しました。
当然といえば当然なのですがね。

 らずも(?)始まりそうな注目カードが、アスナとタカミチの対決です。
一緒に夕映がいますが、タカミチは厳しいことを言いながらも、彼女のことは狙わないでしょう。
結構都合のいい仮定ですが(笑)
アスナもタカミチも咸卦法をメインに使って戦うであろうこと、アスナは数日前にタカミチにフられたこと等を考えると、因縁浅からぬカードです。
経験値の差からタカミチ優位は動きませんが、倒さないとネギは救えません。
アスナはどのような戦いを見せてくれるのでしょうか。

 …と、いかにもアスナとタカミチの一騎打ちが楽しみみたいなことを言っておいてなんですが、夕映も動かないではいられないはずです。
今回、彼女のアーティファクトがただの初心者教本でない事が示唆されましたし、真の力が明らかにされるのは、そう遠くない未来のはずです。
冷静に考えて、夕映の能力が直接的に大局を左右することは想像しがたいですが、彼女の潜在能力を考慮すれば、あるいは……

 と思ったのは、夕映のアーティファクトの能力って、今後に引っ張るほどのものなのか?ということです。
ここまで通して読んでみても、そういう”ちょっとした伏線”が多いように思えます。
特徴は、割とすぐに疑問の答えが返ってくる(でも同一回では明かされない)ことでしょうか。
他の作品でも、回のラストでは頻繁に使われますが、何気ない場面で多用されるケースは、そんなにないのではないかと。
しかし、こういった小さな謎を振りまいてくれれば、その分だけ作品に、というよりも、設定に対する興味が湧いてくるのは事実なワケで。
沢山のキャラクターが登場する作品なだけに、一人一人にはしっかり個性を付与する必要があって、それが説明臭くなるぐらいだったら、読者の興味を引くような提示の仕方をしてしまおう的な努力は非常に買いです。
単行本のおまけも充実しているのに、そっち側に逃げないのがマガジン派には親切だなぁと思ったり。

 カミチがチャオを前に「ためらった」理由は、チャオが魔法バレを決行した目的を雄弁に語っているように思われますが、それが全てなのでしょうか?
そうは思えません。
もし、「魔法使いが人々を救いやすくするために」魔法バレを行うのならば、タカミチが言うように他のやり方があったはずだからです。
つまり、タカミチが言っていることは、彼自身にとっての魔法バレのメリットなのであって、チャオにとってのメリットは別にあるのではないかと思われます。
それがタカミチをして「個人的には彼女は間違っていると思うよ」と言わしめているのではないかと。

 ヴァもそうですが、タカミチは、ネギに対して年相応の価値観を求めません。
それはネギが年不相応の実力を持っているからこそ、幼稚な価値観を持っていてもらってはかえって健全な成長を阻害すると考えるからなのでしょうが、それはそれでやはりアンバランスです。
9歳の少年に「世界はそう単純にはできていない」ことを諭すのはいかにもフィクションですが、そんなことは言っても詮無く、ネギには年不相応な現実が突きつけられ、悩んでいます。
彼はどんな答えを出すのでしょうか。

 回一番好きなシーンは、ガンドルフィーニ先生がネギに対する心情を吐露する場面です。
直接ネギに対面しているときはどうにも辛く当たってしまっていたために読者ウケも悪かったであろうガンドルフィーニ先生ですが、今回きっちりとフォローされていました。
素質を買っているからこそ辛く当たってしまうというのはよくありますよね。
ただ、そういうのは今回みたいにフォローしてもらわないと、ただ嫌がらせをしているようにしか見えないワケで。
ハッ!!
……これがツンデレかぁっ!!!!(違)
逆に瀬流彦先生は「あの子ならどこででもやっていけますよ」と、ドライでリアルなリアクション。
何度も聞いた話だからでしょうね。
ハマノツルギの腹でたたかれた瀬流彦先生には笑いました。
アスナも、わざわざ剣化させる必要はなかろうに(笑)
どうせクーフェに後できつい一撃を食らうのだからアレでよかったのかもしれませんが。

 スナやのどかが魔獣(?)に痛そうな一撃を食らってますが、大丈夫でしょうか?
今までのようなイベントバトルではないガチバトルが見られるような気がしないでもないので、ちょっと楽しみです。


帰りの上り(というか登り?)がむしろ地獄だ

・アスナ「ここね‥ みんな 準備はいい? 行くわよ ネギを助けに!」・・・いざ出撃。
・ネギ「信じてくれるの? タカミチ! だ だったら ガンドルフィーニ先生達に言って僕を外に‥‥」・・・希望。
・タカミチ「いや 立場上君達の手助けをすることはできない」・・・してやってもいいような気がします。
・タカミチ「すまない」・・・今回のタカミチの口癖。
・ネギ「そ‥そんな 待ってタカミチ! じゃあ‥じゃあ超さんは正しいの? 超さんはやっぱり世界を救うために‥‥!」・・・混乱。
・タカミチ「いや違う そうじゃない そうは言ってない 世界はそう単純にはできていない そう簡単に世界は救えない」・・・経験者は語る。
・タカミチ「‥‥ただ 確かに超君の計画の果てには 何もしないでいるよりも多くの人達を救える可能性があった」・・・現場的思考です。
・タカミチ「個人的には彼女は間違っていると思うよ」・・・やり方が、間違ってると。
・ネギ「じゃ じゃあやっぱり超さんの計画は止めるべき‥‥?」・・・正義が揺らぐ過程。
・タカミチ「‥その判断は君がするんだ」・・・いわゆる丸投げ。
・タカミチ「ん‥スマナイ 混乱させるつもりはなかったんだけど‥」・・・9歳に何を期待してるんだ(笑)
・タカミチ「君を助けに来たのさ 君の‥‥仲間達がね」・・・クラスメイト、ではなく、仲間達、というのが熱い。
・ガンドルフィーニ「あ゛〜〜〜〜〜っ」・・・よく解るよ。
・ガンドルフィーニ「娘が面会に来たとき‥あー どんな顔で会えばいいんだ」・・・笑えばいいと思うよ。
・ガンドルフィーニ「彼には悪いことをしたよ‥‥」・・・心情の吐露。
・瀬流彦「またその話ですか」・・・酔った人は同じ話を繰り返すものです。
・ガンドルフィーニ「こんな事件もなく 無事 修行を全うしていれば きっと彼は 優秀な「偉大なる魔法使い」になった筈だよ!! 私にはわかる!!」・・・非常に買っていたらしい。
・瀬流彦「まあまあ先生 あの子ならどこででもやっていけますよ」・・・再就職だな(爽やかな表情で)
・ガンドルフィーニ「なっ‥」・・・電話と徹夜で反応が遅れる。
・瀬流彦「ななっ!? 君た‥‥」・・・普通に反応が遅い。
・瀬流彦「ち゜」・・・発音不能。
・古菲「アスナの障壁破壊と私のコンボは 魔法使いさん達に超有効アルネー」・・・平和ですから。
・千雨「お おいっ ほ‥本屋! ホントにこっちでいいのか?」・・・本屋と呼ぶのにちょっと躊躇いながらも呼ぶ千雨はイイですよね。
・千雨「もう40分はこの螺旋階段を降りてるぞ!?」・・・多分3〜4千メートルは下ってる。
・夕映「アスナさんの‥‥ 魔法無効化能力ですか」・・・なぜ知ってる。
・夕映「いえ どうやらこれは ただの教本ではなく‥」・・・ただの教本ではなく何なんだ(笑)
・夕映「40分かけて30階‥?」・・・ファンタジー的にもとりあえず疑問に思っておくところらしい。
・夕映「ま‥‥待ってくださいアスナさん 何かイヤな予感が‥‥」・・・勘が良い。
・のどか「いえー タテガミが蛇ですから この人はケルベロスさんの弟さんのオルトロスさんでは――‥」・・・オルトロスと言われてもタコしか思い浮かばない私はゲーム脳の持ち主です。
・のどか「あれ――‥ でもオルトロスさんは頭が2つのハズだから‥‥いとこさん?」・・・使役者のSF考証が甘いんですよきっと(何)
・千雨「こんなファンタジーはいらね――っ 魔女っ子で十分だろっ」・・・魔女っ子はアリらしいです(笑)
・タカミチ「いや‥‥君達を通すことはできない」・・・意外な刺客。
・タカミチ「スマナイ‥これも仕事でね」・・・また言った。
・タカミチ「エヴァに言われなかったかい? こちらの世界に首を突っ込み続けるつもりなら それなりの 覚悟をしておけと」・・・仕事よりも、むしろこれが言いたかったんじゃないかと。
・千雨「おいっ!!! ただの女子中学生なんだぞ!?」・・・千雨が自分以外のクラスメイトも含めてこう言ってるのは、とても興味深いですよね。
・???「こんなトコに入り込んだ時点でただの女子中学生じゃ済みません」・・・ごもっとも。


今週の巻末コメント

KC15巻限定版の予約締め切りました。みなさんありがとうございました。

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