86時間目「記憶の中の恋の照準」


あらすじ

 タイムマシンで再び時間は巻き戻り、やってきたネギにとっては3回目の学祭1日目。

 雇われで告白阻止を担当していた龍宮真名は、時間跳躍してきたネギたちを偶然目撃し、ちょっとした興味をそそられる。

 一緒に仕事をしてみてわかったのは、二人の仕事への向き合い方が、全く異なっているという事実だった。

 真名とほんの短い時間を共にしたネギであったが、彼女の事については、少しわかったような、むしろ謎が増えちゃったような・・・


評価

 ★★★★★


感想

死角からの狙撃により撃沈

 回のメインは、ノーマークの龍宮真名でした。
てっきり、数回前に伏線が張られていた夕映が出てくるものと思っていただけに、意表をつかれた格好です。
読者の予想を裏切る事がプロの仕事であるという観点からして、真名が取り上げられた時点で私のような読者からは一本取ったと見て良いでしょう。
他にも、この時点で彼女の話を持ってくることによる利点は、いくつかあるのではないでしょうか。
(例)・真名の出自に関する、学祭後への伏線。
   ・大きな話が動き出さない1日目のうちに、クラスメイト編はこなしておきたい。
   ・彼女のような正統派イロモノキャラ(?)は、話に勢いがあるうちにやっておくに限る。
まぁ、話が出てきた後にこんな考察をしても仕方がないのですが、今回彼女が出てきたことに対する意外性を前にして、考察せずにはいられませんでした。

 名の何がいいかといえば、その仕事人然とした性格(を意識的に作り出している事)や、彼女のネギへの接し方が他の生徒とは一線を画しているという事が挙げられます。
彼女の仕事に対する姿勢は、癇に障らない程度に冷徹で、ネギのそれとは好対照。
五月と刹那とエヴァを足して3で割ったようなネギへのスタンスは、痒いところに手が届く感じです。
更にポイントが高いのは、彼女が既にネギ以外の人物と契約を交わしていたこと。
意外性も十分ですし、ラストで提示された契約カードには、ファンの考察欲を刺激する内容が含まれています。(名字が”龍宮”ではない!)
そもそも彼女はホントに中学生なのかと思わずツッコんでみたりするような楽しみ方もあります。
鳴滝姉妹と同い年だとは、とてもじゃないけど考えられませんって(笑)

 々書いてみたりもしましたが、なんだかんだで今回の白眉は、扱いようによっては重くて暗くなりかねない真名のエピソードを、学園祭の雰囲気で包み込んでしっかり楽しめる内容に仕上げたことだったりします。
ただ学園祭の雰囲気で包み込むだけでは面白くなるかどうか不安だったのでしょう、今回の小ネタはいつもよりも更にサービスが良いです。
例えば英子の再登場。
下級生に告白されてます。(阻止されたけど)
彼女、ドッジボールさえしてなければ可愛いんですけど・・・相変わらず名字は不明だし(笑)
後輩にも下の名前で呼ばれるあたり、実はかなりいい娘なんじゃないだろうか(^^;)
あとは、はる樹君と雪ちゃん、これ重要。
貴重なページを1.5ページも費やして描いているあたり、力の入れ具合が半端ではありません。
この二人が今後のストーリーに絡んでくるような事はまかり間違ってもあり得ないはずですが、強烈に印象に残るキャラクターであるのは確かです。
極めつけは、真名の過去のパートナーと瓜二つである芹沢部長の存在。
実際にそっくりな2人が全く無関係の別人であるというのはいささか不自然な状況ではあるのですが(或いは関係があるのかもしれないが)、真名の気質をネギと読者に決定的に印象付けるための役割を、しっかりと果たしています。
細やかな気遣いの上に今回の面白さが保障されているというのが、よくわかります。

 なみに、5巻での朝倉情報によると、真名の彼氏の存在については”不明”。
彼女の情報探知能力を持ってしても掴みきれなかったほどの真名の過去(ハルナだったら臭いで感付いていたかもしれないw)、明かされるのは相当後になるでしょうが、その時を楽しみにしておきましょう。
今回のネギは、ボボ某ボ・某ボボのヒロイン・ビュティのように終始驚きっぱなしで、面白かったです。
いつもはいかにも少年漫画の主人公といった感じだったので、たまにはいいのではないでしょうか。
学園祭編、嬉しい事に、勢いがあって外れがありません。
次回以降も、大いに期待して良さそうです。


ロリ宮万歳

・「タイムマシン!?」・・・アスナ大興奮。
・「アメリカ禁酒法時代に行きたいな――♥」・・・アスナ、トリップ中。
・「魔法使い一人の魔力じゃ最大で24時間の時間跳躍が限度」・・・約12時間で二度使用するネギ君、タフです。
・「恐竜時代も無理か――」・・・基本的に、ネギとアスナの思考回路は似たり寄ったり、とφ(..)メモメモ
・「ん? さあ どうなんだろうな」・・・長時間移動に含みを持たせつつ。
・時間跳躍・・・そんな目立つ場所で(^^;)
・巫女ガンナー・・・斬新だ(笑)
・英子先輩・・・久々に大きく登場、いいおねーさんっぽい。
・「ん?」・・・この表情……好意には気付いてるとみた。
・「次はもっと人気のない所でやったほうがいいいかもですね」・・・確かに不注意ですね。
・「小太郎君に無理言って僕の分をかなり引き受けてもらっちゃってたので」・・・コタロー君もやっぱり、実力で阻止してるんだろうか。
・「お嬢様 つかまって」・・・刹那とこのか、もはや自然にラブラブできる仲にw
・「フフ・・・・ 女のコトで悩んでるって顔だな」・・・一目で見抜かれるネギ。
・「龍宮さん!?」・・・すごい服です。
・「何 礼には及ばないよオコジョ君」・・・”オコジョ君”に笑いました。
・「修学旅行では助けてもらったけど ちょっと恐いんだよなー・・」・・・ネギ君、何気に失礼。
・真名、狙撃・・・最後の人形だけ、撃たれた所から血が噴出してる(笑)。
・「学祭中二度と告白できないように 期間中 全身を麻痺させる神経毒入りだが・・」・・・告白したばかりに、学祭を棒に振らせるとは……
・「ダメよ本屋ちゃん」・・・それを知ってか知らずか、のどかの身を案じて断固阻止のアスナ。
・「それにホラ 相手が脈アリなら運ばれた医務室で逆にいい雰囲気にでもなるんじゃないか?」・・・なげやりなフォロー。
・はる樹と雪・・・何だこの超絶萌えキャラは(^^;)
・ネギの仕事・・・自分の周囲以外なら、よく気が利く。
・「龍宮さんってナゾだらけ」・・・”秘密主義”ですから
・「……私は昔・・・・マギステル・マギのパートナーだったことがあるんだよ」・・・そりゃ驚きますって。
・NGO団体『四階音の組み鈴』・・・魔法使いのNGO、ホントにあるとは……
・「何歳なんですか 龍宮さ―――――――ん!?」・・・普段から抱いている、読者の印象でもある。
・ペンダントの人・・・”Kouki T”日本人らしい。
・「死んだよ 2年前に」・・・重い話である。
・「ネギ先生がどんな女のことで悩んでるかは知らないが・・」・・・前髪で目が隠れている女のことで悩んでいる。
・「フフ・・・・戦いの場に女は不要だぞ?」・・・ネギ、形無し。
・「ねるとんパーティー告白タイムに入りまーす♥」・・・なんでやねん(笑)
・真名、大量殺人射殺・・・魔眼、発動中。
・「映画の撮影です お気になさらないでください――」・・・ザジに引き続き、営業スマイル。
・「仕事の上では時に冷酷になることも必要だ ネギ先生」・・・学祭でよかった。
・芹沢部長・・・やっぱり真名は大学生の頭身だと思った。
・いやいや・・・芹沢部長をロリコン呼ばわりするには、龍宮はあまりにも大人すぎた。
・「撃った――っ!?」・・・(笑)
・「私の戦場に男は無用だ」・・・達観の果てに。
・「サ――― イエッサー 龍宮隊長!!」・・・ネギ、龍宮傘下。
・契約カード1・・・真名、幼き姿。
・契約カード2・・・名字の”ARCANA”は、”神秘”の意。

・巻末コメント・・・アニメのCDがまたオリコン上位に……(大汗)。
・ツッコむ・・・快挙であるにもかかわらず、何となく手放しで喜んではいけないような気がする心境がよく出ていて高評価(何)

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