94時間目「激戦!龍宮VS古菲!!」


あらすじ

小太郎の完全勝利を端緒にまほら武道会は、1回戦を次々と消化していく。

素性不明のクウネル・サンダースと甲賀中忍の長瀬楓が、それぞれ実力を隠したまま、2回戦に進出した。

龍宮真名と武道大会優勝経験者である古菲の対決は、周囲の下馬評を覆して圧倒的に真名のペースで進行。

クーフェが勝負を諦めかけた時、辛うじてそれを思い留まらせたのは彼女の弟子であるネギの応援であった。


評価

 ★★★☆


感想

 回のメインは、タイトルにもあるように真名とクーフェの真剣勝負。
経験値の違いにより圧倒的なアドバンテージを得ている真名に対して、未熟なクーフェが立ち向かっていくという構図。
格闘技に関して、ネギが(この戦いでは劣勢にある)クーフェに師事しているという点において、彼のいる場所とは全く異なる次元での戦いだということになります。
後に控えている対タカミチ戦が思いやられます。

 に消化されたのは、クウネル・サンダースVS大豪院ポチと、長瀬楓VS中村達也。
例のフード男の名前は、てっきり「田中」だと思っていましたが、クウネル・サンダースでした。
当然まだ正体はわかりませんが、荒れる要素はアリアリです。
で、そのクウネル・サンダースに敗れた大豪院ポチは、独特のマユゲからわかるように、あの「ポチ」でしょう。
こういう本誌読者にしかわからない遊び心もなかなか良いものです。
岩田光央の声が欲しいですね。
楓VS中村戦は特に触れる点があるわけではないので割愛するとして(一般人(?)が遠当てとか使っていることを突っ込んだら負けだと思っている)、むしろ、1回戦勝者の楓が次に対戦するのが真名VSクーフェの勝者であることを、楽しみにしておくべきでしょう。
どちらが上がってきても充分注目に値するカードではありますが、今回ラストの状況で見るのなら、真名が上がってきた方が、より限界に迫る戦いを見ることができそうです。
単純に楓の強さを測ってみたいという欲望があるだけですけれど。
まぁ、2回戦が開催されるのかどうかはわかりませんが……。

 て、真名VSクーフェに戻りましょう。
本気で戦える相手を渇望していたクーフェが、既に完成された戦士である真名に立ち向かっていく構図だというのは、上に書きました。
同時に、これは副次的な目的ではありますが、師匠としてのクーフェが弟子であるネギに、普段の修行では教えられない何かを伝えるための戦いでもあります。
結果的に、ネギと修行するだけではわからなかったことに先に気付いたのはクーフェの方で、それに気付いた事が、今回のヤマ場でもあります。
羅漢銭、いわゆる銭投げによって、文字通りクーフェを寄せ付けない真名。
威力が半端ではありません。
出費も半端ではないでしょう。
和美のツッコミは読者のツッコミでもあります。
そんな中で、自分の得意な近距離に間合いを詰めようとするクーフェ。
上手く距離を詰めて接近戦に活路を見出し、利き手と思われた右手を押さえるも、あっけなく左手によって弾き飛ばされます。
利き手設定がいい加減であるといわれる赤松作品ですが、この場面に限って言えば、真名は両手とも戦闘時において不自由なく使うことができると考えて差し支えないでしょう。
畳み掛けるような攻撃になす術もないクーフェ。
勝負を諦めかけるも、その直前に耳に入ったのは、弟子であるネギの声。
この場面でネギは、弟子としてというよりは、一人の少年として声を張り上げていたと読めなくもありません。
あるいは、先生として、かもしれません。
だからといってどうなのかと聞かれても、さしたる違いはないのかもしれませんけど。
ともかく、弟子の声によって「なぜか」立ち直ることができたクーフェは、切り札の『布槍』によって、真名を拘束することに成功します。
しかしクーフェは満身創痍、次の一打が、ラスト。

 …といった具合で、次回に続きます。
戦いの流れ自体は至ってシンプルで、ややこしくなってくるとすぐ頭がこんがらがる私のような人間にとっては、大いに助かります。
読み方によっては、やたらと必殺技を繰り出す戦いへのアンチテーゼとも読めますし。
もちろんこれを底の浅いバトルだと感じる人もいるのでしょうが、それは人それぞれということで。
今回面白かったのは、カルト的な人気者クーフェの、武道会に於ける圧倒的な人気ぶり。
愛されるキャラクターです。
それと、突然解説を始める茶々丸と豪徳寺君、そしてそれにツッコむ千雨。
和美の真名に対するツッコミと合わせて、適材適所だなぁと思います。
あとは、ラストで身体を拘束されても全く動じていない真名。
無表情で「やるじゃないか」はいかにも彼女らしくて、笑うところでもないのに笑ってしまいました。

 たして、クーフェの大逆転なるか。


今週の巻末コメント(と、それに対するちょっとしたツッコミ)

――引越しの準備で大変です。GW(ゴールデンウィーク)に重なってよかった。

・・・何となく、漫画家は引越しの多い職業だなと思います。多忙によってリフレッシュする機会が限られているために、変えるときは一気に変えてしまおうということなのでしょうか?

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