114時間目「みんながいるからボクがいる」


あらすじ

 ネギはクウネルの存在に戸惑いを隠せないまま、対刹那の準決勝がはじまってしまった。

 色々考えてしまうせいでネギの動きは精彩を欠き、それを刹那が見逃すはずもなく、流れは常に刹那ペース。

 そして彼女は、ネギをやさしく戒めた。

 父の背中を追うだけでなく、もっと自分たちのことを見て、と。


評価

 ★★★★


感想

 り道をくり返し、気がつけば随分と回数が割かれたまほら武道会も、あとは準決勝と決勝を1試合ずつ残すのみとなりました。
赤松先生の日記でも予告されていますが、この武道会編はあと数回で終わります。
単純に考えれば、準決勝、決勝と、本来ならばボルテージが最高潮に達するはずのカードが残されているはずなのですが、それをバトル一辺倒で描ききるつもりは、原作者サイドには無いということでしょう。

 れを裏付けるかのように、今回の内容はネギと刹那のガチバトルではなく、刹那がアスナからの頼みを遂行する展開がメインでした。
アスナからの頼みというのは、彼女が地下道に潜入する直前に刹那に告げた「私の分までネギのコトぶん殴ってきてよ」にあたるのですが、これだけだと何のことやらさっぱりなのでもうちょっと詳しく解説すると、アスナがネギに対して散々言い続けてきた(あるいは刹那にボヤいてきた)、彼の自分ひとりで何とかしようとする性格……と言えば聞こえがいいけれども、周りをアテにせずに突っ走っていく性格を何とかしようとして、アスナはこの大会でネギと戦いたかったわけです。
これは100時間目でわかりやすく描かれていて、その場面でこそ刹那はアスナの意見に全面的に同意したわけではありませんでした(きっと彼女自身の生い立ちとも関係しているのでしょう)が、111時間目で彼女に頼まれたこともあって、今回その役目をきっちりと果たした形となりました。
前回の楓から刹那への伝言も、およそ同様の内容だったのでしょう。
15ページ目の楓のしぐさが、何よりもそれを表しています。

 局、これだけ引っ張った武道会編の意義はここにあったということです。
刹那×アスナ戦が無ければ、刹那×エヴァ戦が無かったように、刹那×エヴァ戦がなければ、今回の彼女からネギに向けたセリフはなかったでしょうし、ネギが、周囲がいつも自分のことを気にかけているというコトに、気付くこともなかったのでしょう。
一見脇道に逸れたと思われる展開も、最終的には本筋であるネギの成長へと向かって収束していく展開は、通して読んでみると、綺麗に纏まっているものだなと思います。
対タカミチ戦(96時間目)においても、そこまでの展開を全てネギの成長に集束させる作業が行われているのですが、今回はその時にやり残したことをやり遂げたと言って差し支えありません。

 スナには、今回刹那がネギに気づかせたことを伝えようとした過去があります。
それが、7巻のラストの、「あなたのちゃんとしたパートナーとして見て ネギ」と言うまでのくだりなのですが、今回の刹那のセリフにある、「今は私を見てください ネギ先生」は、意図的にアスナのセリフとダブらせており、その上で更に彼女は、「そして‥‥お父さんの背中を追う日々にも アスナさんのこと‥‥カモさんのこと‥‥お嬢様たちや‥‥それに みんなのことを‥‥ 忘れないでください」と、付け加えるのです。
「みんなのことを‥‥」の場面で描かれる屋根からの観戦組が、仕事をサボってまでギリギリで駆けつけた面々だという事を考えると、熱くならずにはいられません。
一回深呼吸をして、落ち着いてみたネギ。
ゆーな曰く「男前」ですが、それはなんか違うような気がするぞ(笑)
それはともかく、これで本当に、ネギに彼女たちの想いが伝わっているといいのですが……

 ころで、『神鳴流 浮雲・桜散華』はエロい技でしたね!(ォィ)
いつもと同様、バトルそのものに関しても、何が起こっているのかが努めてわかりやすく描写されており、これで人気が出るのももっともかとは思いますが、自分が基本的にバトル方面に興味がないせいか、浮かんでくるのは、しょうもない感想ばかりです。
こんなレビュアーでゴメンなさい。

 人的に見逃せないのは、くぎみーにも真っ当な出番があったということでしょうか。
そのノートパソコンどこから取り出したんだとか思わないでもないですが、出番があればそんなことは無問題。(いいのかそれで)
ネット上にネギの経歴が漏れているのは、和美が大会に絡んでいる上にチャオがやってることだろうから特に驚きもないことですが、魔法の存在を全世界に知らしめようとしているチャオの活動と併せて考えると、何を考えてるやらわからなくなってきますね。
このままなし崩し的にチャオとの対峙にストーリーは向かっていくのでしょうか?
ネギ×刹那戦の決着がどのようにつくのかも、気になるところではありますね。
というわけで、以下次回を待つべし。


ネギくんは全方位にもてもてだなー

・ネギ「そうだ あれはアーティファクトの能力だった‥‥なんで気付かなかったんだ?」・・・平静を保たなければ、周囲は見えなくなるものです。
・ネギ「それならクウネルさんは一体何のつもりで僕にあんなことを‥?わからない‥全然わからないよ」・・・クウネルがやることですから。
・ネギ「勝ち目なんてある訳がないじゃないか!」・・・断定口調で弱気。
・ネギ「状況が状況だし 事情を説明すれば刹那さんも‥‥」・・・甘い。
・ネギ「先生と生徒が本気で戦うなんて そんな‥‥」・・・何を今更。
・刹那「ハイ わかっていますネギ先生 私も手加減は一切しません お互い全力でいきましょう」・・・この娘、確信犯につき。
・ネギ「自分の力で道を切り拓くしかない!!」・・・覚悟は決まったが、相変わらずではある。
・ネギ「杖よ!」・・・色々びっくりした。
・ネギ「桜華槍衝 太公釣魚勢!!!」・・・説明無しだけど、杖を槍代わりにしたのはおそらく、相手が剣術使いだから、リーチを確保したかったのではないかと。
・ネギ「届いてない!」・・・文字通り、届いてない。
・刹那「奥義 百烈桜華斬!!!」「斬空閃!!」「神鳴流奥義 斬岩剣」「奥義‥‥斬鉄閃!!!」・・・見開きの神鳴流特集を見てるみたいです(笑)
・刹那「神鳴流 浮雲・桜散華」・・・仕事上のセオリーで急所を掴む様なキャラだから気にしないんだろうけど、エロい。
・和美「またも桜咲選手のなんかトンデモナイ投げが炸裂――っ!!」・・・色々な意味でトンデモナイ。
・和美「つーか せっちゃん もう土台からボロボロっすから なるべく壊さないでー」・・・せっちゃんて(笑)
・茶々丸「い 今のはどうでしょう?」・・・心中穏やかではない。
・千雨「何だ‥‥桜咲の方が強いのかよ‥ いや‥やっぱ調子ワリーのか?」・・・なんでこの人はいちいち萌えなことばっかり言うんでしょうか。
・あやか「ネギ先生――ッ!?」・・・想定内の反応(笑)
・ネギ「い いいのをもらっちゃった」・・・羨ましいのをもらってましたねぇ(何か違う)
・刹那「まるでダメです 高畑先生との試合の方が良い動きでした」・・・ことあるごとに相手にダメ出しされるネギ。愛されてるなぁ。
・刹那「――なぜ今 ダメなのかわかりますか?それは‥‥あなたの心がとらわれているからです あなたの父 ナギ・スプリングフィールドに」・・・ズバリ。
・刹那「でも‥いつも遠くばかり見ていては 足元の小石につまずいて怪我をするかもしれませんよ?或いは 手元で咲いている花を見逃すことも‥‥」・・・アスナが度々ネギに言ってきたのも、つまりこういうコトである。
・刹那「今は私を見てください ネギ先生」・・・また、傍から見てると愛の告白に見えないでもないような言葉を……。
・刹那「そして‥‥お父さんの背中を追う日々にも アスナさんのこと‥‥カモさんのこと‥‥お嬢様たちや‥‥それに みんなのことを‥‥ 忘れないでください」・・・ここまで言わなきゃわからない、ということ。
・刹那「カモさんのこと‥‥」・・・ある意味、他のどの女の子よりも、ネギにぞんざいな扱いをされてるのはカモだと思う。
・美空「ここまで来れば大丈夫だよね〜 ネギくん見に行っちゃダメ?」・・・やっぱり後退してたよこの娘は(笑)
・ザジ「…食べちゃダメ」・・・どっかで見たセリフだと思ったら、そうだ、1時間目だ。意味合いは違うが(笑)
・それはそうと・・・さりげなく思いっきり周りにいるの人外ですがな。
・コタロー「ネギ‥」・・・ああっ、モテモテだなぁっ!ネギくんはっ!!
・ネギ、深呼吸・・・変わった?
・まき絵「ネネネネギくぅん」・・・メロメロです。
・美砂「っとと ヤバ! きちゃったよ お姉さん 今何かグッときちゃったよ―― ネギ君!」・・・食べちゃダメ。
・桜子「た――――っ にゃにゃにゃにゃ 見に来て良かったかも――――」・・・壊。
・美砂「ネギ君はあんたのモンです」・・・当人の知らないところで公認。
・あやか「キイイ―――ッ 桜咲さん いったい何の権利があってネギ先生にあのような暴行行為を――!?お離しなさーい あの方とはキッチリ決着をつけねばなりませんわ―――――っ!!」・・・一人だけ時間が止まってベストショットを見逃した人。
・裕奈「おちつけっ いんちょ 死ぬって」・・・そりゃ雪広あやか流では歯が立ちますまい。
・円「ちょっ 待ってみんな コレ見てホラ いんちょも見て! ネットにネギ君の話が出てるよ ホラ 「涙のマル秘過去話‥‥大会出場の理由」って‥‥」・・・長いセリフだーヽ( ・∀・)ノ


今週の巻末コメント(と、それに対するちょっとしたツッコミ)

――QUOカードの応募ありがとうございました。いっぱいきました。

・・・『もう、しま』の単行本売上数よりも応募数が多かったという話。3万枚超て。

 頂ければ、管理人が喜びます

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